衆院選は自公3分の2越え、改選前を上回る 「安倍政権が信任された」と首相
[東京 14日 ロイター] - 第47回衆院選は、自民、公明の連立与党が全体の3分の2に当たる317議席を超える326議席を獲得して圧勝した。民主党は73議席と公示前から増えたものの海江田万里代表は落選し、代表を辞任するとみられる。共産党は8議席から21議席に躍進した。
衆院で3分の2を超える与党勢力が形成されたことで、参院で否決された法案を再可決することができるだけでなく、衆院では憲法改正を発議することも可能になった。
NHKによると、安倍首相は2014年度補正予算案を含めた経済対策や、2015年度予算案を早期に編成するため、全閣僚を第3次安倍内閣で再任する方針を固めたという。
確定した議席は、自民党が291(公示前293)、公明党が35(同31)と与党全体では議席を伸ばした。
一方、野党は民主党が73(同62)と増えたものの、政権交代を担う勢力の復元には遠く及ばなかった。野党第2党の維新の党は41(同42)と微減、次世代の党は2(同19)と大幅減。生活(同5)と社民(同2)はともに2にとどまった。
共産党は小選挙区で18年ぶりに議席を獲得するなど、自民党に批判的な有権者にとって、一定の受け皿になった格好だ。
安倍晋三首相は報道各社とのインタビューで、自民党圧勝の情勢に「2年間の安倍政権の信任を受けた」とする一方、「アベノミクスはまだ道半ば」とも指摘。「実感が得られない人々に、アベノミクスの成果を届けることが使命だ」とも語り、2年間の政権運営の信任のもとにアベノミクスの推進を約束した。
今後の政策課題については「近々政労使会議を開き、来年の賃上げに向けて合意形成をしていきたい」と指摘。来年、再来年、その翌年も賃金を上げていくことで「景気の好循環を回していくことができる。景気回復の実感を感じてもらえる」と語った。
向こう4年間の長期政権も視野に入り、経済の次の優先課題は何かとの問いかけにも、安倍首相はまず「経済最優先で取り組む」としたうえで、「同時に地球儀を俯瞰(ふかん)する戦略的外交を進めるなかで、日本の地位を高め国益を守っていく。経済外交も展開していきたい」と外交課題にも言及した。
また、「安全保障の法整備を、次の通常国会でしっかり整備をしていきたい」と語った。
さらに憲法改正については、参院では憲法改正を発議できる3分の2の勢力を与党で持っていないことなどを挙げ「国民の理解が深まるよう努力していきたい」と語った。
特別国会の召集や、組閣時期や考え方などについては「今の段階では全く白紙。選挙結果が固まるなかでゆっくり考えたい」と述べるにとどめた。
菅義偉官房長官は民放テレビで、投票率が過去最低と見込まれるものの「(安倍政権の)信任を受けたと認識している」と語った。
また、麻生太郎副総理兼財務・金融担当相も、NHKの番組の中で「2年間のアベノミクスが評価された。アベノミクスは道半ばだが、きっちり仕上げていかなければならない」と指摘。さらに、消費税については「少子高齢化を考えればアップは必ず必要」と指摘するとともに、2017年4月に10%へと消費税を「引き上げることができる経済情勢を作っていかなければならない」と語った。
*内容を更新しました。
(田巻一彦 編集:宮崎亜巳)
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