関空、「ようやく低迷脱出」の裏に見えた弱点

LCC好調で旅客数激増でも…

関空は大阪府泉佐野市、泉南郡田尻町、泉南市にまたがる(写真:みーちゃん / Imasia)

大阪湾泉州沖に浮かぶ関西国際空港(関空)。12月3日、日本航空(JAL)系の格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンは、同社初の国際線となる関空-香港線を2015年2月28日から就航すると発表した。関空にとって1994年の開港から今年は20周年という節目。開港当初から国内・国際線ともになかなか路線が定着せずに旅客数が伸び悩む時期が長く続いたが、LCCという武器を得た関空は今、かつてない活況にある。

外国人客は3年前の2.4倍!

法務省入国管理局によると、2014年10月に海外から関空に到着し、日本へ入国した外国人者数は30万2954人(速報値)と1年前から約10万人のプラス、1.5倍に拡大した。これだけでも驚きだが、実は3年前の2011年10月と比べれば約17万人増と2.4倍に激増している。

関空は就航当初、24時間運用が可能な国際空港として国内線と国際線を乗り継ぐ「ハブ空港」としての役割が期待されていたが、国内線で大阪・伊丹空港からのシフトは限られ、国際線は2001年の米国同時多発テロや2008年のリーマンショックなどのイベントリスクに見舞われ、伸び悩んでいた。

低迷していた関空が浮上のきっかけをつかんだのは、2012年3月に全日本空輸(ANA)系のLCC、ピーチ・アビエーションが就航したことだ。多くの専門家が「失敗する」と酷評していた事前予想を覆し、安い運賃とそれを支えるコスト構造などを武器に高い搭乗率を確保。関空に新たな旅客を多数呼び込んだ。2014年春にはパイロット不足問題が浮上したことは記憶に新しいが、2014年3月期は開業2年で早くも営業黒字化を果たした。ジェットスター・ジャパンや同じくANA系のバニラエア(旧エアアジア・ジャパン)などの“和製LCC”の中で独り勝ちだ。

LCC専用の第2ターミナル(筆者撮影)

ピーチの快進撃に呼応するように関空にはLCCブームが到来。今では、韓国系が3社(チェジュ航空、エアプサン、イースター航空)、中国の春秋航空、香港エクスプレス、フィリピンのセブ・パシフィック航空、マレーシアのエアアジアX、タイのタイ・エアアジアX、シンガポールのジェットスター・アジア、オーストラリアのジェットスターなど、国際線だけでも11社のLCCが就航。ジェットスター・ジャパンの香港線就航で12社となる。

一方、関空には好調の裏返しで大きな課題も浮上している。それは週末を中心とした周辺のホテル不足だ。特にLCCを利用するような客層が使いやすい、リーズナブルなビジネスホテルをりんくうタウンなど関空対岸エリアで探すのは至難の業であり、週末は値段に関わらず部屋自体が空いていないという状況が続いている。

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