シトリックス、B2B企業の超刺激的な職場 デザイン思考をオフィスで具現化

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デザイン思考の実践で象徴的なシトリックスのスタジオ。自由にレイアウトできる可動式のテーブルがあり、天板はすべてホワイトボードで書き込むことができる
(写真中央が上級副社長のキャサリン・カレッジ氏)

シトリックス・システムズは、仮想化やクラウドなどのエンタープライズ向け業務ソフトウエアの企業だ。「業務向け」企業でありながら、同社は5年前からデザイン部門として、カスタマーエクスペリエンス部門をゼロから創設した、興味深い投資を行っている。

現在、シトリックスでは、同部門では200人が働いている。それだけでなく、同部門が進めている「デザイン思考」について、全社の半数の従業員が学びを得たという。

いわゆるB2B企業が、なぜデザインにこだわるのか。そして、世界の拠点にデザイン思考を広める職場と働き方とはどんな姿なのか。

シトリックスのシリコンバレーの拠点、サンタクララにあるオフィスを訪ね、カスタマーエクスペリエンス部門を率いる上級副社長キャサリン・カレッジ氏と、日本人デザイナー、櫻井大祐氏に話を聞いた。

なぜB2Bにデザインが必要だったのか?

シトリックスのデザイン投資は5年前にさかのぼる。ちょうど、iPhoneが登場して2年目、翌年iPadが登場して、iOSデバイスのバリエーションが増えようかというタイミングだ。カレッジ氏は、自身を「非常にユニークな役職」で「デザインに関して、社内で特権を持っていた」と説明する。

「CEOのマーク・テンプルトン氏がデザインへの投資を決めたのは、導入先の企業で働く人々すべてが顧客になるからでした。特にモバイルデバイスの普及で、これまでの顧客であるIT部門だけでなく、あらゆる人々がテクノロジーを利用し、彼らすべてが満足するユーザー体験が必要になります。デザインはロイヤリティを高めるために必要なことでした」(カレッジ氏)

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