まるで遊び場?コロプラ新オフィスの狙い 仕事とリラックスが共存する異空間

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創業以来、5回に上る引っ越しの陣頭指揮を執ってきた千葉功太郎副社長
 東京・恵比寿ガーデンプレイスの中に、ど派手なオフィスが出現した。「魔法使いと黒猫のウィズ」「白猫プロジェクト」などヒット作を次々と生み出し、右肩上がりの成長が続くスマホゲーム会社のコロプラ。6月末時点の社員数は403人となり、2年前の155人から急増したことを受けて、9月にはオフィス規模を2倍に増やし、フリースペースをふんだんに設けた新オフィスへ移転した。創業以来5回目となる「引っ越しプロジェクト」を主導し、採用全般を担当する千葉功太郎副社長に、新オフィスへ込めた狙いを聞いた。

――新オフィスはまるでテーマパークのようです。ここまでこだわった理由は。

コロプラはゲームを作るクリエイターの会社なので、もっとも楽しい場所を作りたいというのがコンセプト。特にクリエイターは朝から夜まで社内にいて、アイデアを出してゲームを作り、それを世界中に発信する。だから居心地のいい空間じゃないとストレスがたまってしまう。オフィスとして当たり前の機能を備えながら、気分転換ができて、アイデアを出せるようなさまざまなエッセンスを入れることをイメージした。

新オフィスでは共有スペースの拡充に力を入れた

特にこだわったのは、フリーエリアの拡充と利用シーンの想定。共有スペースだけで全体の4分の1を占めており、ノートPCがあればどこでも自由に働くことができる。こういう業態なので、自分の机に座っているときだけが仕事じゃない。同僚とご飯を食べながら雑談しているときにアイデアが出てくると、そこから会議に切り替えられることもできる。お昼どきになると、フリースペースの芝生エリアにみんな座って楽しそうに話す姿や、ゲームに没頭する人も多く見かける。

新たな会議のやり方も提案したかった。オープンエリアで会議してもいいし、みんなでひな壇に並んで座ってスライドやプレゼンを見ながらの会議もできる。あとは青色や赤色、黄色の部屋では精神統一したり、気持ちを切り替えたりもできるし、逆に暗い部屋やこたつ部屋もある。会議や仕事をする環境にバリエーションをつけることで、仕事とリラックスする時間が曖昧になるように意識した。

フェイスブックのオフィスに影響受けた

――参考にした会社はありますか。

新オフィスには遊戯具も多数用意されている。ダーツは社長から社員へのプレゼント

構想から引っ越し日まで6カ月という短期間で、色々なオフィスを見てきた。一番影響を受けたのはフェイスブックの日本オフィスで、うちの社長(馬場功淳氏)も連れて見学に行った。フェイスブックのオフィスはグローバルでルール化されており、デザインやオフィス空間がパッケージになっている。居心地のいい空間のみならず、米国や日本、どの国のオフィスに行っても同じような環境で働くことができる仕組みになっていて、たとえば会議室予約システム1つをとっても世界共通だし、会議室や休憩室のレイアウトも決まっている。出張や転勤先でも、その日からなじむことができる。

 ほかにも面白いと思った点は、フェイスブックでは執務エリアと、遊ぶエリアが完全に同じ空間内に同居している。多くの日本企業は働くエリアと休憩エリアを完全に壁で区切るのが一般的だが、フェイスブックでは照明や壁の色、家具で区切っていた。リフレッシュするために違う部屋に行くのは精神的な壁があるが、同じフロア内にふらりとくつろげる場所があり、自由に行ったり来たり出来るのはいいなと。

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