「Facebook卒業します」の背景にあるもの

ニュースフィードの「CNN化」にうんざり

写真:ロイター/アフロ

世界最大のソーシャルネットワーキングサービスFacebook。最新の2014年第2四半期決算によると、その月間アクティブユーザー数は13億2000万人、毎日のアクティブユーザー数も8億2900万人にも及ぶ。同四半期の売り上げは29億1000万ドルと前年同期から61%も増加し、モバイルからのアクセスが急伸、収益源である広告売り上げも順調に伸びている。

そんなFacebookの筆者のニュースフィードで、最近「Facebookを卒業します」という投稿とともに更新が途絶えるユーザーが目に付くようになった。このサービスの生い立ちからして、むしろ学校を卒業してから使うのがFacebookだったはずが、「卒業する」とは一体どういうことなのだろうか。

筆者の周辺で、全く別のコミュニティに属する人々が、同時に同じような投稿と行動を起こしていることが気になった。そこで取材を進め、考察を行った。背景にあるのは、Facebookとのつきあい方の多様化や、つながりの変化が影響しているようだ。

しかしFacebookは、嫌だからやめる、という部類のものでもなくなったのも事実。会社が変わって電子メールのアドレスは変わっても、ケータイを乗り換えて電話番号が変わっても、Facebookのアカウントはそのまま使い続けることができ、途絶えることない連絡手段として優秀といえる。

既に人間関係のインフラ化しているFacebook。これとのつきあい方について、「卒業」宣言をした人の話から考えていこう。

筆者は話を聞き始める前、Facebookによるユーザー情報を活用した広告への不安感など、プライバシー的側面が挙がると思っていたが、そこが卒業の主たる理由とはならず予想外だった。同時に、取材を通じてわかったことは、多くの場合、設定を変えたり、自分の関与の仕方を変えることで、「Facebookの卒業は未然に防ぐことができる」ということだ。

背景には、Facebookのコミュニティの拡大と多様化

Facebookは日本でも拡がりを見せており、月間アクティブユーザー数は2000万人を超えている。日間アクティブユーザーの93%がモバイルからのアクセスで、これは世界一の数字だ。また世界的なトレンドとして、ネットやモバイルに敏感な若年層以上に、より上の年齢層のユーザーに広がっていきた。

以前紹介した記事で若年層のユーザーが減少しているとの指摘があったが、日本の場合、就職活動を機にFacebookのアカウントを充実させ、同期や先輩とつながりを作るという使い方も見られる。その後、会社に入り、直属の上司に友達申請を送られて困る、というのはよく聞く話だ。

また60歳以上の世代には、学生時代や企業の同期、経営者のつながり、趣味など、様々な人間関係の中でFacebookが使われていく。実際の人間関係がそうした複雑さの中にある世代にとっては、手紙や個別のケータイメールを送るよりも便利、というSNS本来の良さだけを思い切り生かしているように見受けられる。

朝Facebookで「おはようございます!」と元気に挨拶する50代後半の男性に話を聞くと、Facebookで人脈が円滑につながり、仕事の相談も多くやりとりされるようになったとメリットを挙げる。一方で、毎朝の挨拶合戦で、いいねやコメントの数は軽く100件を超えるという。行きの電車の中で、読書などの時間とスマートフォンのバッテリーがなくなると、苦笑いをしていた。

決してFacebookのコミュニケーションに否定的ではなく、むしろ恩恵を受けていると言うが、コミュニケーションで相手がいることであるため、つい気を遣って自分のことよりも優先してしまう。筆者と同世代の、「卒業」宣言をした30代前半の女性も、中毒とまでは言わないが、気を遣い続ける環境にやや疲れたと話す。

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