ニトリ社長、「これまでは値下げをしすぎた」 それでも好調、28期連続の増収増益は射程圏
──以前に比べて高価格帯の商品を増やしている。
2008年のリーマンショック後から値下げを3カ月ごとに8回してきた。それによって顧客層が年収200万円から500万円ぐらいに偏った。昨年の下期から中の上ぐらいの商品開発を増やし、年収800万円ぐらいの顧客に引き上げる戦略がうまくいっている。これまでは値下げしすぎたと反省している。
たとえば3人用ソファだと従来は約4万9000円がプライスポイント(売れ筋)だったが、今は約7万9000円に上げている。近く約19万9000円する最高価格帯のソファも発売する予定だ。
──商品の中身そのものも変えている?
勘違いしている人が多いが、同じモノを高くしているわけではない。座り心地のいいソファを新たに開発するなど素材から見直し、安心・安全にも力を入れている。これまでは安さだけに集中して品質向上の努力が足りなかった。もちろんこれからも安さを追求はするが、「安かろう悪かろう」では困る。品質重視で作った商品は、顧客からもいい評判を得ている。
たとえば、座り易いソファ、寝心地のいいベッドを商品化している。ベッドもソファも固めの方がいいという人が少なくないが、それは逆だ。固めというのは日本独特で、若い時はいいが、歳をとると腰痛と肩こりの原因になってしまう。固めだと耐圧が偏ってかかってしまうから、やっぱり身体にフィット した方がいい。ニトリでは耐圧が全部均等になるように欧米型に変えている。
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