イモトのWiFi運営企業が「不妊治療」参入の大波紋 目標は出生児5万人増、「日本一に必ずなる」

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――西村社長の言う「ベストじゃなくてもいい医療」で妊娠できる人たちは、基本的に保険適用の範囲内の治療で済むのでは? そうであれば、実績のあるクリニックに患者が流れはしないのでしょうか。

それは見せ方次第。僕らには資金がたんまりあって、この事業に200億円ぐらいは投資できる余裕がある。

場合によっては、自由診療で展開して「うちのクリニックで結果が出なかったら全額返金します」というようなやり方をしてもいい。何年も大赤字が続くかもしれないけど、上場していないオーナー企業なので、採算がとれなくてもいいという判断はできるし、僕のポケットマネーで運営する方法もある。

いちばんは結果を出すこと。結果が出なければ僕らが泣けばいい。自分たちが不妊治療をやることによって、患者さんの選択肢を増やしたい。

経験のある医師、胚培養士をきちんと採用する

もちろん、安全性もきちんと考えないといけない。医療の質を高めるというのは当然考えていて、まったく専門分野じゃない人間を集めてきて頭数そろえるとかは絶対ない。不妊治療の経験のある医師、胚培養士、看護師などをきちんと採用していく。

そのうえで「日本一になる」というビジョンに共感できる人が、今集まっている。あと、やっぱり圧倒的な資金力があるので、条件を上げていけばいくほど応募はいっぱい来る。だから役者はそろう。

――医師は学会と考えの異なるにしたんクリニックに勤めることで、他の病院で勤めにくくなったり、今後のキャリアに影響が出てしまったりすることはないのでしょうか。

影響はあるだろう。そういうのを恐れる人がほとんど。だけど僕らは、そういうことになった場合は、「あなたが一生稼ぐだろう金額を僕らが保証します」と一筆書く。一生面倒を見る覚悟がある。

――当面の目標は?

現在の出生児数に5万人プラスしたい。50院で年間1000人の出産を実現できれば、年間5万人の出生児数を増やせることになる。妊娠した子どもたちが毎年東京ドームに来たら、1杯分ずつ増えていくかな、なんて話している。

(4日目第2回は「不妊に悩む人多い」日本社会が見過ごす根本原因

田嶌 ななみ 東洋経済 記者

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たじま ななみ / Nanami Tajima

2013年、東洋経済入社。食品業界・電機業界の担当記者を経て、2017年10月より東洋経済オンライン編集部所属。

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