時価総額が1年前比で急増した50社ランキング コロナ禍で市場の評価を高めた企業はどこか

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昨年末のEV戦略発表会も好感され、トヨタは今年2月末までの1年間で時価総額を8.8兆円増やした(写真:尾形文繁)

2020年2月に株式市場を襲ったコロナショックから、丸2年が経過した。同年3月に底値をつけた日経平均株価は、その後急反発してバブル後高値を更新し、2021年には一時3万円を突破した。

ただ、コロナ禍1年目の2020年と2年目の2021年では、時価総額が拡大した銘柄の性格に大きな違いがあることも見えてきた。

1年目は金融緩和を好感し、エムスリー(2413)などニューノーマル時代に躍進が期待されるグロース株が買われた。これに対し、2年目はインフレ圧力が高まる中、金融緩和政策の縮小懸念でグロース株人気が終了。アフターコロナで業績回復が期待される銘柄や、PBR(株価純資産倍率)など指標面で割安なバリュー株へのシフトが鮮明だった。

自動車など業績回復が鮮明だった銘柄が上位に

『会社四季報』2022年2集(春号)は3月18日発売。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

3月18日に発売した『会社四季報』2022年2集(春号)では、2年前比と1年前比で見た2022年2月末時点の時価総額の増減額を全銘柄で掲載している。その銘柄を市場がどう評価しているのか、どういう位置づけなのかを把握する手助けとなるはずだ。

最新号では、時価総額関連のランキングも3本掲載している。本稿では1年前比の時価総額増加額について、時価総額増加率20%以上という条件を新たに加えて作成してみた。

ランキング1位はトヨタ自動車(7203)。2021年2月末~2022年2月末の直近1年間で、時価総額は8兆8292億円増加した。業績の回復ぶりが顕著だったことに加え、2021年12月14日のEV(電気自動車)戦略発表会も再評価の動きにつながり、株価は一段高となった。

なお、2年前比(2020年2月末→2022年2月末)では11兆2985億円の増加なので、コロナ禍1年目(2020年2月末→2021年2月末)の時価総額の伸びは2兆4693億円にとどまっていた。減産影響で業績が苦戦したためだが、トヨタの場合はコロナ2年目に躍進した。

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