新ドラマ低調は、クドカンのせいじゃない! 「ごめんね青春!」視聴率にモノ申す

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筆者は、「万人向け」のクドカンドラマが好きで、「あまちゃん」にどっぷりはまった視聴者のひとり。

「あまちゃん」は、NHKの朝ドラなので、最初から主たる視聴者が中高年の女性と決まっていました。そして、その人たちが喜ぶように、かなり意識して「万人向け」に、脚本を書かれたわけです。女性三世代の物語にして、主人公の母、天野春子(小泉今日子)と祖母の天野夏(宮本信子)に共感できるような設計。放送枠とドラマの内容がピッタリ合ったのです。

「ごめんね青春!」は、初回を最後まで見るまでもなく、すぐ「通向け」だと思いました。最初から「クドカンファン向け」に書かれたものですから、日曜夜9時に放送したとしても、視聴率2ケタいかないのは予測できたこと。放送枠についている視聴者と内容が合っていないからです。

ズレているのは編成だ!

結局、ズレているのは宮藤さんではなく、編成サイドなのではないか、と筆者は思います。「ごめんね青春!」が放送されているのは、夜9時からの日曜劇場。「半沢直樹」をはじめ、高視聴率ドラマを連発してきた枠です。うまくいけば40%も狙える、すごい枠なのです。

この日曜劇場は、過去のラインアップを見ればわかるとおり、基本は中高年向け。「ごめんね青春!」にも、50代の女性向け化粧品や生命保険のコマーシャルが入っています。

この枠に“下ネタ満載の学園ドラマ”を編成したのですから、かなり違和感があるのは当たり前。

テレビ局の編成も、制作も、クドカンドラマには「万人向け」と「通向け」があることは知っているはず。そして「ごめんね青春」は明らかに、「通好み」だと企画の段階でわかったはず。それに、学園ものは、少子化で視聴率がとれないことも……。それなのになぜこの中高年向けのドラマ枠に編成したのか、理解に苦しみます。

 日曜劇場で放送することを優先するのであれば、「あまちゃん」や「流星の絆」のような万人受けするドラマにする必要があったし、「ごめんね青春!」のよさを生かすのであれば、夜11時以降に編成すればよかったのではと思います。

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