中韓の「反日」に、どう向き合うか?

第2回 ナショナリズムは「3つのベクトル」で考えよう

新大久保で行われた嫌韓デモでは、乱闘騒ぎで逮捕者も出た(2013年6月16日、写真:Landov/アフロ)
ナショナリズムとは何か。日中韓で燃え上がる“憎悪の連鎖”を、どのようにして断ち切ればいいのか。新刊『日中韓を振り回すナショナリズムの正体』において、「自虐史観と居直り史観をともに排して、歴史を直視すれば、解決の道は見えてくる」と説いた保阪正康氏の講演を、3回に分けて載録する(2014年10月7日、丸善丸の内日本橋店で行われた講演内容を編集部でまとめました)。

 

【第1回はこちら】

昭和史の泰斗2人が、いま日中韓で燃え上がるナショナリズムの実体について分析。背景にある歴史問題を直視し、憎悪の連鎖に歯止めをかけるための提言を行う。そして、他国に振り回されず権力に踊らされない、健全な日本人のナショナリズムのあり方についても示す。

民衆が守ってきた下部構造のナショナリズム(第1回参照)に対して、今、中国や韓国との関係の中で緊張感をもって語られているナショナリズムは、より上部のものです。国家と国家の間のナショナリズムなんです。おまえたちの国は、戦前・戦中、どうしたこうしたと言ってくるわけです。

しかし、半藤一利さんと私の対談本『日中韓を振り回すナショナリズムの正体』でも私は言ったんですが、それを聞く・聞かないは別にして、私たちは、中国・韓国との関係を考えるとき、3つのベクトルで考える必要があると思います。この3つのベクトルの中で私たちは、それぞれの国との友好関係、あるいはナショナリズムの妥協点を作らないといけない。

このベクトルのひとつ目は、国家・政府間のもので、私はA層というふうにくくっています。政府間の外交交渉、あるいは政府間の交流ですね。これは国ですから、1国と1国のやり取りになるわけです。で、そのA層のやり取りは、基本的に法的関係。公的に、決着をつけなければいけないことは決着をつける、ということになる。お互いに、かつてのそれぞれの関係というものを、どの時期に、どういう形で清算していくのかという問題です。

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