就活に焦って、「資格ハンター」になるな! 資格は学業の一環で取得するべき

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就活するにあたって資格の有無を気にする学生は少なくない。学業に精を出すわけでもなく、サークル活動や留学などもせず、漫然と学生生活を過ごしてきた就活生は自分にPRできるものがないことに気づき焦る。そして、とりあえず資格を取ろうとする。
しかし、企業は学生が短期間で取得できる資格など評価しない。それでは、学生は何をすればいいのだろうか。今回は学生からの資格に関する質問に回答する。

 

大学は専門学校ではない

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Q1:大学では就職関連のセミナーがたくさん開催されています。3月から就活スタートと聞いていましたが、実際はすでに始まっている感じで焦っています。私は、サークルに入っていませんし、留学経験もありません。バイトは短期のものをいくつかやったことはありますが、長期間やったことはありませんので自己PRすることがありません。親は何か資格を取ることを勧めてきます。専門学校に行くおカネも出してくれると言います。就活で役に立つ資格は何でしょうか。(都内・私大文系・男子A)

在学中に資格を取る学生が増えています。学生に資格取得を強く勧める大学も増えました。しかし、学生が数カ月で取得できる程度の資格では、就職にプラスになることはありません。司法試験や公認会計士などの資格であれば有利になりますが、今からこうした資格を取得するのは不可能でしょう。

企業は就活生が学生としてどのように活動をしてきたのか、その結果、どの程度成長したのかを見ています。専門学校生ではないので、資格を評価することはあまりありません。学部に関連する資格ならばともかく、学部とは無関係の資格ではかえってマイナスの評価をされる場合さえあります。企業から「何をしたいのかわからない学生」「就活のために無理して資格を取得した学生」といった評価をされてしまいます。

最近の企業は、学生が在学時にいかにきちんと勉強したかを重視します。本格的な就活開始までは少し時間があるので、ゼミの勉強内容を深めてください。面接ではゼミでの研究内容をわかりやすく伝えること、そして、自分がいかにゼミで頑張ったのかを述べられるようにしましょう。

また、最近は成績表を提出させて、その成績表を見ながら面接をする企業が増えています。ゼミ以外の勉強にどのように取り組んだのか、どんな苦労をしたのかなどについても、きちんと答えられるように準備してから面接に臨んでください。

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