就活に焦って、「資格ハンター」になるな! 資格は学業の一環で取得するべき

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リクルートキャリアが発表した「就職白書2014」によれば、企業は学生の業界・企業研究が不足していることに不満を感じていることがわかります。資格がないことに不満を持っているという結果は出ていません。自社について研究していない学生にエントリーされても、採用担当者はいい気がしないでしょう。また、研究不足の学生は入社してから「こんな会社とは思わなかった」などとすぐに辞めてしまう可能性があるので、採用担当者は気が気ではありません。

以上のことから、特に自己PRに使えるような材料がなくても、業界・企業研究をみっちり行えば内定に近づくと言えます。学生時代に勉強もあまりせず、かといってサークル活動なども特にしていなかった学生は、とにかく業界・企業研究に力を入れてください。専門学校に通って資格を取っている場合ではありません。

Q2:不動産会社に入るには宅地建物取引主任者(宅建)の資格が有利だと聞いたことがあります。宅建は簡単ではありませんが、今から頑張れば何とかなると思います。宅建取得は就職にプラスになりますか。(関西・私大文系・男子B)

どうしても不動産会社に就職したい場合、宅建を持っていることで熱意を示すことはできるでしょう。しかし、宅建があるからそれで即内定ということはなりません。私が以前、取材した不動産会社の採用担当者は、「宅建は必要条件ではない。不動産会社はストレスが多いので、優秀で精神的に強い学生を採用したい。宅建なんて入社後に勉強させればいいだけのこと」と言っていました。勉強ができて学生時代に宅建を取得していても、精神的に強くない学生は採用したくないそうです。

ちなみに、宅建の試験は年1回で、10月に行われます。現3年生が今から就職のために受験する機会はありません。

勉強の一環で取得した、という説明がいい

Q3:商学部に通っており、簿記やファイナンシャルプランナー(FP)の資格を持っています。せっかく取った資格なので就職に生かしたいのですが、どうすればいいでしょうか。(都内・私大文系・女子C)

簿記やFPの資格を持っているのは素晴らしいことです。しかし、こうした資格を持っているからといって、それが直接、内定につながるわけではありません。面接などでは、資格を持っているので就職させてほしい、とアピールするのではなく、商学部で学生として会計の勉強をするときに、何か目標があったほうが勉強しやすく効率的なので、簿記やFPを目標としたと説明すれば印象がいいでしょう。

資格を取ること自体が目標なのではなく、学部の勉強の一環として取得したという形が理想です。資格自体が目標では、専門学校の学生との区別がつきません。

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