前田容疑者がFDを改ざんしたのは公判の紛糾を避けるため--伊藤鉄男・最高検次席検事

前田容疑者がFDを改ざんしたのは公判の紛糾を避けるため--伊藤鉄男・最高検次席検事

大阪地方検察庁は11日、大阪地検特捜部の元主任検事、前田恒彦容疑者(43歳)を証拠隠滅容疑で起訴した。これに先だって、法務局は容疑を全面的に認めている前田容疑者を同日付で懲戒免職とした。大阪地検が起訴したのは管轄の関係上で、事実上起訴したのは最高検察庁である。

同日午後4時に最高検で開催された記者会見は1時間23分に及んだ。通常、係争中の事件の詳細を検察は明らかにしないが、「今回は検察の不祥事の事案。可能な限り詳細説明をする」と最高検の伊藤鉄男次席検事は冒頭説明した。

最高検によれば、前田容疑者は2009年7月13日に大阪地検の庁内で、大阪地裁で係争中の上村勉氏らの虚偽有印公文書作成等被告事件の証拠であるFD(フロッピーディスク)を、前田容疑者の私物のノートパソコンや高機能ファイル管理ソフトウェア、私物の外付けのFD読み取り機を用いて、FD内に記録されていた「コピー~通知案」と題する文書ファイルの更新日時「2004年6月1日、1:20:06」を「2004年6月8日、21:10:56」に改変。つじつまが合うように、他の文書ファイルとの順番を入れ替えたりした。これらの行為が、証拠隠滅の罪に当たると最高検は判断した。

ここで高機能ファイル管理ソフトウェアとは、更新日時を改ざんするのみならず、多種多様な機能を有するソフトウェアを指す。前田容疑者が06年ころに使っていた私物のノートパソコンにインストールし、08年5月にパソコンを買い替えた際に、犯行に用いたパソコンにそのまま移植された模様。大阪地検の内規では、地検が管理するパソコン以外のパソコンを庁内で使用することを禁じていたが、前田容疑者は私物のパソコンを日ごろから使っていた。

前田容疑者がFDの改ざんを思いついたのは、証拠物の早期還付のために、証拠物を整理していたとき。「前田容疑者は『いやな証拠だな』と改ざんしちゃっている」(伊藤次席検事)。早期還付の過程で、当時の前田容疑者は、「FDの更新日時が6月1日のままでも、他の証拠で立件できると考えていたが、6月1日を更新日時とするこのFDが弁護側から証拠として示されれば、公判は紛糾するだろうと思った。6月1日という更新日時を弁護側に気づかれたくないという思いが強く、念のために変えておこう、ということだった。捜査の過程で(6月1日という更新日時の)疑問は解消できると(前田容疑者は)思ったのだろう」(伊藤次席検事)。

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