世界初!3Dプリンタのロックバンド <動画>スウェーデン製、「世界に1つの楽器」
ルンド大学マルメ音楽アカデミーの学生らは、3Dプリンタで作り出された楽器のみを使う世界初のバンドだ。彼らが使うギター、ベース、キーボード、ドラムを製作した、プロダクト開発を専門とするルンど大学のオラフ・ディーゲル教授は、「3Dプリンタによりミュージシャンは望み通りの仕様の楽器をデザインできるようになる」と語る。
オリジナル楽器の製作が可能
プロダクト開発が専門で3Dプリンティングにも取り組んでいるディーゲル教授が、楽器のデザインとプリンティングを行っている。「私が作る楽器はすべて、ミュージシャンのために特別に作られたオリジナルです。これは、従来型の製造手法ではできないことです。例えば、ミュージシャンが『ギブソン・SGのようなネックの重いものがほしい』と希望すれば、デジタル処理でミュージシャンが望む位置に重心を移動することができます。または、指がフィットしやすいようにここにスキャロップド加工がほしい場合にも、そのようにデザインできます。デザイン過程で随時変更ができ、『プリント』ボタンを押せば、11時間か12時間後にはすぐに演奏できる新しいバージョンの楽器が手に入る点が3Dプリントの魅力です」。
同バンドは新しい楽器をとても気に入っている。リード・ギタリストのミケル・モルエタ・ホルメー氏は、スチームパンク風のデザインに特に惚れ込んでいる。「ボディのデザインに動くパーツを加えました。このギターは丸ごとプリントされているのですが、スイッチを押すと回転します。今まで見た中で最高のギターだと思います」。
ベーシストのヒューゴ・ルンドウェル氏によれば、音質が劣っていることはないという。「ボディは音や演奏にあまり影響しないと私が言えば、フェンダー信奉者の中には腹を立てる人がいるかもしれません」。
3Dプリント製造の楽器が、最愛のフェンダーやギブソンのギターに代わる現実的なものであるということを、頭が固いことで有名なミュージシャンらに納得させたいとディーゲル教授は考えている。徐々にミュージック界の賛同を得ていると教授は述べている。「『見た目は素晴らしいが、サウンドは期待できないだろう』と、単なるギミックに違いないという最初の疑念を取りのけ、実際に楽器を演奏してみて、エレキギターのようなサウンドだということに気付くと、考えが変わります。私たちに今必要なのは、誰か著名なミュージシャンに取り上げてもらい、演奏に使ってもらうことです」。
ディーゲル教授が作るギターの現行モデルの価格は、約3500ドルである。ギター製作の転換には、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、カルロス・サンタナのようなギタリストらの賛同が必要かもしれないが、少なくとも同バンドにとっては、3Dプリント楽器は何の遜色もない素晴らしい音色を奏でている。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら