日本は「3Dプリンタ王国」を築けるか 3大シンクタンクが読む2014年の日本⑤

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2014年の日本はどうなるのか。三菱UFJリサーチ&コンサルティング、みずほ総合研究所、野村総合研究所の3大シンクタンクが、14 年の注目テーマやトピックを分析していくシリーズの第5回目は、野村総合研究所が登場。
 今回は、3Dプリンタについて。2013年に続き、14年は幅広い産業に浸透しそうだ。特に大きな影響がありそうなのは中小企業。たとえば東京・大田区から次世代を担うスーパー企業が出ることも、あながち夢ではない。
3Dプリンタは「日本発祥」。2014年は一段と脚光を浴びそうだ(都内のイベントで)

3Dプリンタを発明したのは、日本人

2013年は、3Dプリンタ「ブーム」元年だった、といってよいだろう。一般には、夢のテクノロジーが突如登場したようにみえるかもしれないが、実は3Dプリンタの歴史は1980年の、「ある日本人による発明」にさかのぼる。当時、名古屋市工業研究所に在籍していた小玉秀男氏が、立体図形作成装置に関する特許を出願した。その後、さまざまな企業により製品化され、ものづくり業界では実際に使われている。

そんな3Dプリンタが日本でこれほど話題になったキッカケは、残念ながら黒船である。2013年2月に米オバマ大統領が、一般教書演説において「3Dプリンタを活用してアメリカに製造業を呼び戻す」と宣言したことを、一般メディアが大きく取り上げた。結果、広く日本人に3Dプリンタというキーワードが知られることとなった。

NRIが、2013年8月に15~69歳を対象に実施したインターネットアンケートでは、「3Dプリンタがどんなものであるか知っている」との回答が67%に達した。おおよそ日本人の3人に2人が、3Dプリンタというキーワードを認知していることになる。

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