「世界一」の可能性は30%、いいなら実行[上]

柳井正・ファーストリテイリング会長兼社長に聞く

やない・ただし ユニクロは中国の協力会社に生産委託している。今度は、本社の開発・生産管理部門も中国に移すことを決めた。そこまで中国にのめり込んで大丈夫か。「ダメだったら、すぐまた帰ってくればいい。簡単ですよ。世界中でいちばんいいと思う所でやってみて、ダメだったら別のところでやればいい。次はニューヨークかもしれないし」

マスコミがざわついている。ユニクロの今下期(3−8月)の既存店売り上げは前年比6%減。上期の13%増とは様変わり。「ついに勝ち組にも変調か」。

柳井正はまるで気にしていない。「いいじゃないですか。商売はアップダウン。アップがあれば、ダウンもある。またアップもあるんじゃないですか。いちいち気にしていたら、商売なんてできないよね」。

目は足元より世界へ、10年後へ、向けられている。2020年度の売り上げ目標は5兆円(今期の6倍)。うち4兆円を海外で稼ぎ出す計画だ。「市場がグローバル化する。ということは、日本一では生き残れない。日本だけで通用してもダメ。世界で通用しないと、日本でも売れなくなる、ということですよね」。

日本の目の前に宝の山がある

柳井は「日本はポルトガル化するんじゃないか」と思う。大航海時代はよかったな、と言いながら老人が日向ぼっこしているイメージ。ジャパンパッシングが言われて久しいが、今、柳井が懸念するのは、ジャパンクラッシングである。

「日本はいつクラッシュする(潰れる)か。世界中の投機家が手ぐすね引いている。アジア通貨危機の韓国がそうだったように、その時が連中のビジネスチャンス。市場はそれだけ暴力的なんですよ」。だが、日本にチャンスはないのか。目の前に宝の山がある。世界の成長センターとなったアジア。「日本は本当にいい立地。インフラも整っている。なのに、指をくわえて見ているというのは、最悪ですよね」。

ならば世界へ。単純なことである。

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