「世界一」の可能性は30%、いいなら実行[下]

柳井正・ファーストリテイリング会長兼社長に聞く

やない・ただし ユニクロは中国の協力会社に生産委託している。今度は、本社の開発・生産管理部門も中国に移すことを決めた。そこまで中国にのめり込んで大丈夫か。「ダメだったら、すぐまた帰ってくればいい。簡単ですよ。世界中でいちばんいいと思う所でやってみて、ダメだったら別のところでやればいい。次はニューヨークかもしれないし」

それまで、国内でも店舗は最大500坪だった。米国で未体験の1000坪に挑戦したのだ。「無謀と言えば無謀でしょう。大型店の経験がないんだから。半年でできたのは奇跡。それくらいのことなんですよ。やってみなきゃ、わからない」。

ソーホーには芸術家やデザイナーが多く住み、世界中の小売業者、ファッション関係者がやって来る。ユニクロの世界認知度は一気に高まった。ソーホー店の成功で、柳井は昨年度の全米小売業賞のインターナショナル賞を授与されている。

ソーホーの余録がもう一つ。ユニクロは著名デザイナー、ジル・サンダーと提携した。彼女はラグジュアリー(超高級服)分野の最高峰。自らのブランドを譲渡したプラダとの関係がぎくしゃくし、新天地を求めていた。欧米の高級ブランド・メーカーはもちろん、H&MもZARAも、獲得に動いたはずである。

自画自賛ですが、すごいと思う

柳井の口説き文句。「僕もやったことがない、あなたもやったことのないことを一緒にやりませんか」。サンダーの特徴は、ラグジュアリーでも、一切のムダをそぎ落とした究極のシンプルさ。ベーシックのユニクロと通底すると言えば言えるが、ユニクロが選ばれた理由は、やはり、ソーホー店の成功だろう。

誕生した新ブランドが「+J」。「とびっきりのラグジュアリーとユニクロのポピュラーなプライスライン。二つが結び付いて商品を作る。業界初の新しい業態を作る試み。自画自賛ですが、すごいと思う」。

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