韓国ドラマ「不安定な年下男性」多出する納得理由 ヒョンビン出世作から女性の描かれ方変わった

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Netflixのドラマ「マイネーム:偽りと復讐」も、女優のハン・ソヒの魅惑的な女性アクションドラマとして国内外で注目を集めた。ロマンティックコメディドラマ「海街チャチャチャ」は、ソウルから地方へと向かう現実主義的な歯医者と、漁村に住むフリーターとの社会的格差を超えた恋愛話として、国内はもちろんアジアでもNetflixで上位を占めた。

時代劇でも主体的な女性像が増えてきた。Netflixを通じてアジアで人気を得たドラマ「恋慕」は、李朝時代に双子の兄の代わりに男装して王となったイ・フィをパク・ウンビンが演じた話だ。あるフランスメディアは「家父長的な時代に女性が権力を持つというテーマは独特だ」と評価した。

最近の韓国で人気となったロマンス時代劇「赤い袖先」では、イ・セヨンが演じるヒロイン、ソン・ドクイムは李朝時代に宮女の身分だが、王の御名に無条件に服従しない。

ソン・ドクイムは時代的な階層の差を超えて、些細なことでも本人の意思を信じて主体的に人生を選択しようと努力する人物として描かれた。2021年に女性同士の協力と復讐を描いたtvNドラマ「Mine(マイン)」や、女性2人が主人公を務めるドラマとして成功した韓国SBSの「One the Woman」なども、主体的な女性像を描きながら興行的にも成功した。

すっぴん女性芸能人がサッカーする番組も

もちろんこのような流れは、男性と同等の権利を主張するフェミニズム運動と関係がないわけではない。世界的な運動となった#MeTooが韓国でも盛んになり、女性自ら社会的に不当な待遇を告発し対応策を求める過程を経て、女性たちが連帯し不条理に立ち向かう「強いお姉さん」シンドロームが沸き起こった。

東京オリンピックで善戦した女子バスケットボールチームや、アーチェリー国家代表のアン・サン選手の人気が高まったことも、これと関係がある。韓国SBSの芸能番組「ゴールを殴る彼女たち」は、すっぴんの女性芸能人がサッカーをしながら戦い抜く姿が新鮮だという評価を受けた。女性ダンサーの熾烈な競争を描いた「ストリートウーマンファイター」は、強さを超えたタフな女性の姿が人気を得た。

こうした中、社会的に徐々に高まりつつある性平等への意識と相反するような場合には、世論の俎上に載せられることもある。

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