確率と期待値「賢くお金を増やす」のは、どっち? あなたは大丈夫?「ギャンブル思考」からの脱却

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リスクとリターンを天秤にかけるときに大切なことは(写真:ソライロ/PIXTA)
特別顧問として、お金のプロである投資家の村上世彰氏に指導を受けながら、実際のお金を使い株式投資に取り組む、N高等学校・S高等学校の投資部の活動がメディアで話題になっています。未来の投資家たちは何を学んでいるのでしょうか? その投資部が、将来お金で苦労しないために学んでいる内容を1冊にまとめた『読んだら一生お金に困らないN/S高投資部の教科書』の中から、今回は「長い目で見て、堅実に、お金を増やすための期待値」について紹介します。数字で考えることを習慣にする「村上流投資」の基本です。

株式投資の成功確度を高める物差し

株式に投資する人は、将来的に株価は上がると思っているから、その会社の株式を購入するわけですが、絶対に株価が値上がりするという保証はどこにもありません。

『読んだら一生お金に困らないN/S高投資部の教科書』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

もし、その会社が倒産でもしてしまったら、投資したお金は恐らく戻ってこないでしょう。つまり、投資したお金がゼロになってしまう恐れもあるのです。会社が倒産するという悲惨な状況に直面しないまでも、思った以上に売り上げや利益が伸びなかったというケースはあります。

その会社の業績が良くなるかどうかは、正直、誰にもわかりません。さまざまな材料を集めて総合的に判断し、「この会社の業績は確実に伸びる」と結論づけたとしても、どこかに不確定要因が潜んでおり、それが顕在化して業績が急落することも十分に考えられますし、そうなれば当然、株価は下がります。

つまり株式投資は、短期間で株価が数倍にも跳ね上がることがある一方で、最悪の場合、株式の価値がまったくゼロになってしまうケースも考えられます。

株式投資には、銀行預金のような確実性はありません。だから、リスクとリターンを天秤にかけて、成功の確度を少しでも高めるための物差しが必要です。それが「期待値」です。高校数学で学習することなので、君が高校生なら、大人の個人投資家よりも有利な位置にいます。ここで復習して、一気に差をつけましょう。

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