シトロエン、「圧縮空気モーター車」の斬新さ <動画>リッター50キロの走行が可能
シトロエンが10月のパリモーターショーに展示した最新の低燃費コンセプトカーは、今まで無駄になっていた運動エネルギーを圧縮空気として保存し、それを利用することでモーターを回す機構を備えている。これにより、短距離ではあるが、排気ガスゼロで車を推進することができる。
パリモーターショーに展示されたC4 Cactus Airflow 2L モデルは、車両重量が従来車に比べ100㎏も軽くできており、最新の空気力学を最大限応用することで、さらに燃料消費を抑えている。
リッター50キロの超低燃費
Cactus現行生産モデルに改良を加え、たった2リットルの燃料で100㎞程度の走行を可能にするまでに、燃料消費を大幅にカットした。つまりリッター50キロだ。「ガソリン燃料とハイブリッド技術を組み合わせ、運動エネルギーを無駄にせず圧縮空気を作り出すのに利用します。そしてこの圧縮空気が自動車の推進を助けるのです」とシトロエンのプロジェクト責任者であるピエール・モンフェリーニ氏は言う。
「車体フロント部に、最適化した1200㏄エンジンを搭載し、リア部トランク下には圧縮空気タンクを装備しています。減速時にはエンジンが空気を圧縮し、再発進や再加速する際には、圧縮された空気が力となって車を推進します。したがってエネルギー及び燃料の消費を大幅に減らすことができるのです」
試作車は現行生産モデルよりも軽量で、空気力学をさらに応用している。例えばフロントバンパーにエア・インテークを設け、ホイール部が開閉するようになっている。これらは自動的調節になっており、空気の流れをより効率的にするようにできている。
さらにモンフェリーニ氏は、「ハイブリッド・エア(HybridAir) 動力伝達系で、圧縮空気をタンクに貯めます。このタンクは同等のリチウムイオン電池に比べ軽量で安価です」と言う。「いままで以上にシンプルで、使用する国を問わず、厳しい悪天候などでも機能し、リチウム電池のような高価な材料を使用しない点において、非常に優れています」。