イビデン、株価急落を招いた反転攻勢の誤算 岐阜の名門企業に何が起きているのか
攻めの戦略に誤算が生じた――。プリント配線板やセラミック製品などを製造するイビデンの株価が急落している。10月1日の終値は前日比15%安の1810円で、東証1部の値下がり率1位となった。翌2日は1761円、3日も1733円と続落している。
きっかけは、9月30日に発表した業績予想修正だった。今期の売上高見通しを、従来予想の3300億円から3150億円へ下方修正。本業の儲けを示す営業利益は、同250億円から180億円まで落ち込む見通しだ。前期の営業利益234億円と比べると、実に23%も減ることになる。
パソコン市場の低迷で苦戦
背景にあるのは、スマートフォンやタブレット向けプリント配線板の苦戦だ。
スマホやパソコンには多くの半導体や電子部品が搭載されているが、これらは緑色のプリント配線板の上に配置されて動作する構造になっている。イビデンは高密度なプリント配線板の開発・製造に強みを持ち、高付加価値路線で差別化を図ってきた。しかし直近は、これまで得意としてきたパソコン市場の低迷などが影響し、プリント配線板事業は苦戦を強いられてきた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら