珍種?「東大女子」はいかにして育ったか ごくフツウの家庭から、東大生は出せるのか?

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勉強をする“土台”としての好奇心をうまく育んでくれたのかな、と思えるような回答もいくつかありました。

・教育熱心でもしつけに厳しいわけでもないが、いろいろなことに興味を持つきっかけをたくさん与えてくれた(2003年文学部卒)
・何をするかについては放任主義だが、一生懸命していることについてはつねに応援してくれていた(2001年経済学部卒)
・幼児期は父母ともに厳しかった。兄弟が増えるに従い、親の手が回らなくなり、小学校に入ってからは自分が聞こうとしなければ勉強をみてもらうことはなかった。でも、要所要所できちんと話し合いが持たれた。社会経験を積ませようと思う親だったようで、いろいろな場所に連れていってくれた。進路などは基本的に自分で決めなさいというタイプ(2007年教育学部卒)

さまざまな選択肢を見せたり、興味を示したものに打ち込める環境を整えたりすることが、結果的に勉強のモチベーションにつながった可能性もありそうです。

また、回答をよく見ていくと、勉強については「放任」でも、「しつけは厳しかった」という証言が10人ほどありました。具体的な内容としては、「テレビはNHK、民放ならスポーツのみ」「帰宅時間、テレビの時間、寝る時間などしつけには厳しかった」などが挙げられていました。

やはり「教育ママ」も存在

もちろん「放任主義」な家庭ばかりではなく、「教育熱心」な家庭もあるようです。まずは、親が勉強を見てくれたケース(お2人とも医学部なのはたまたまでしょうか……)。

・低学年の頃は勉強をよく見てくれた(2003年医学部卒)
・小学生くらいまでは母がメインで、中学以降は父が家庭教師のような感じで受験までずっと勉強を見てくれました。育ったのが海外だったので、塾などがなく、すべて自宅学習でした(2003年医学部卒)

いわゆる「教育ママ」に育てられたケースは、次のような回答。

・母は教育熱心ないわゆる教育ママ。しつけにも厳しかった。勉強だけでなく習い事もいろいろやらされた。教育にかけるおカネは惜しまず、本であれば無条件に買ってくれた。父は、教育におカネをかけたくない考えがあったようだが、基本、母任せ。勉強に関して言われたことは何もないが、門限や服装などにはやたらとうるさかった(2007年法学部卒)
・母親が教育ママ。学歴重視。父は何も口出しせず(2008年法学部卒)

上記2つの回答は母親が専業主婦だったケースなのですが、「教育ママ」という言葉どおり、教育熱心なのは母親であって、父親は無関与なんですね。

中には、勉強、しつけについて極端に厳しかった家庭も。

・勉強しないと家の中で人権がなかった。東大を目指すためにすべてのことを犠牲にすることを強いられた。しつけも非常に厳しかった。完璧主義の両親の下で非常に緊張して育った(2004年文学部卒)
・しつけに厳しく、子どもの意思は尊重せず親の言うとおりにさせるタイプ(2001年工学部卒)

……なかなかシビれるご家庭ですね。

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