2年連続Aクラス、広島カープ"強さ"の秘密

選手の獲得・育成に独自の哲学

スカウト統括部長の苑田聡彦氏は、ぶれない基準で選手を評価している(撮影:今井康一)

昨季16年ぶりのAクラス入りを果たした広島東洋カープが、今季もクライマックスシリーズ進出を確実にしている。この快進撃は、あるデータを知ると驚きが増すだろう。12球団のうち、カープは選手の年俸総額が最も少ないのだ。

39年連続黒字を達成

球界の最小規模で経営されているのは、球団のあり方に大きな関係がある。親会社が新聞社の巨人や中日、鉄道系の阪神や西武、IT 系のソフトバンク、楽天、DeNA、食品系のヤクルト、日本ハム、ロッテ、リース業のオリックスと各球団が大会社に支えられているのに対し、カープの筆頭株主は創業家の松田一族だ(保有率は42.7%)。自動車メーカーのマツダが30%以上の球団株を保有しているが、「持分法を適用しない非連結会社」という位置づけで赤字の補填や経営資金の援助は受けていない。松田家はカープ単体で経営しながら、2013年決算まで39年連続黒字を達成している。

2014年の年俸総額を見ると、最高の巨人が45億1200万円であるのに対し、最低の広島は20億6800万円(データは夕刊フジより。14年開幕時点)。単純に年俸=選手の価値だとすると、今季、広島は巨人の半分の戦力で戦ってきたことになる。それでもシーズン最後まで優勝争いを繰り広げてきたのは、人材獲得における戦略と指針がはまっているからだ。

各球団が選手を獲得する方法は、大きく5つある。フリーエージェント(FA)制度、ドラフト会議による新人選手の獲得、トレード、外国人選手の獲得、そして自由契約選手の雇用だ。

とりわけチーム成績に大きな影響を与えるのが、FA、ドラフト、外国人。ご存知の読者も多いだろうが、広島は基本的にFAで選手を獲得しない。年俸や契約金で多額のカネがかかるからだ。1993年にFA制度ができて以降、ひとりも獲得していないのは広島のみとなっている。

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