代表選を前に揺れる、民主党「一丁目一番地」

代表選を前に揺れる、民主党「一丁目一番地」

塩田潮

 17日に野田グループ、18日に旧民社グループ、19日に鳩山グループ……。9月14日の代表選を前にして、民主党内の各グループが合宿や会合を開催する。

 自民党政権時代、夏に各派が開く派閥研修会が注目を集めたが、民主党も似たり寄ったりと映る。11日に自民党の参議院議員会長選びが投票となって、谷垣総裁は「派閥も生々流転、日々変化している」と感想を口にした。とはいえ、自民党はいまも「派」が健在だ。一方、民主党の議員集団は政権獲得後も「グループ」と呼ばれている。

 民主党の代表選は計1226ポイントの争奪戦だ(国会議員 413人は各2ポイントで計 826、地方議員 100、党員・サポーター 300)。過半数に達しない場合は国会議員による上位2人の決選投票で決まる。地方議員は国会議員50人分、党員・サポーターは 150人分という配分だから大票田だが、やはり国会議員票が決め手となる。

 グループ別の色分けは、小沢グループが130~150、鳩山が50~60、菅が40~50、旧民社と前原が各30~40、旧社会党、野田が約30ずつといわれている。現段階では、菅派は全体の3割程度、「反菅」派は小沢、鳩山グループを中心に4割前後、残りの約3割は態度不明か模様眺めと見られる。

 誰が勝つかが最大の注目点だが、グループが派閥化するかどうかも要注意だ。派閥による丸抱え、党中党、陳情も利権配分も一手請負の総合病院、党利党略を超えた派利派略が自民党政権時代の派閥政治だった。

 一方、脱派閥を唱える民主党は、ごった煮政党らしく、各グループは出身党派による互助会や、仲間意識を共有するお友だち集団が中心で、「学芸会」とからかわれてきたが、自民党的な小沢グループが入り込み、「体育会」との競合という姿になっている。首相選びとなった代表選で、「グループ」が消え、「派」に変わる可能性もある。

 永田町的政治風土と自民党的政党文化の打破は民主党の「一丁目一番地」のはずだが、ここでも原点離れが起こるかどうか。
(写真:梅谷秀司)
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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