「泥まみれになっても政権維持」との強い執念が鳩山首相に果たしてあるか!?

「泥まみれになっても政権維持」との強い執念が鳩山首相に果たしてあるか!?

塩田潮


 鳩山首相は党首として戦った総選挙で大勝して政権に就いた。参議院も与党で過半数を握っている。来夏の参院選を乗り切れば、次の次の参院選と衆議院議員の任期満了が重なる2013年まで、3年超の政権維持も可能との見方が成り立つ。
 だが、実際はどうか。民主党の政権が続くのは間違いないが、鳩山首相がどこまで走り切れるかは不透明だ。

 非自民政権は1993~4年以来。細川元首相との比較が話題に上る。
 細川氏は大臣無経験で首相となり、自身の政治資金問題で追及を受けたこともあって、就任8カ月で辞任した。鳩山首相も大臣無経験で自身の資金疑惑を抱えている。相違点は8党派連立の弱体与党でなく、巨大与党を背負っていることと、その細川内閣を官房副長官として政権内部で目撃した体験を持っている点である。
 あのとき、短期で自民党政権の復活を許したのは細川首相の早期放り投げが原因という思いが鳩山首相にあり、今度は短くても1~2年は政権維持と強い決意を抱いているようだ。支持率に左右されない、解散・総選挙は最低3年はやらないと言い聞かせていると見られるが、計算どおりにいくかどうか。

 細川内閣が短命に終わったのは、資金問題もさることながら、政権内の武村官房長官と小沢新生党代表幹事の確執、性急な国民福祉税提示と頓挫、与党各党の足並みの乱れなどが原因だった。いま鳩山首相は「細川内閣の失敗の教訓」を生かす政権運営を心がけようとしていると見て間違いない。
 だが、首相の政権意欲の急速な減退、つまりやる気の喪失が政権崩壊を招いたというのが最大の教訓である。もともと欲と保身のなさで「宇宙人」と呼ばれた鳩山首相が、断崖絶壁に追い詰められたとき、「泥まみれになっても政権維持」という強い執念を見せるかどうか。同じように「8カ月で放り投げ」が起こるかどうかは、鳩山首相の政権担当能力とともに、宇宙人の政権意欲の中身によるだろう。
(写真:今井康一)
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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