人口減の衝撃、896の自治体が消える

増田寛也元総務相が説く「不都合な真実」

──悲観論でもなく楽観論でもなく対応せよ、と。

人口が減るのは間違いない。しかしこの程度のことでうちひしがれていても意味がない。本当にやらなければいけないことは何なのか。とにかくデータを集めて、住民がどう動いているか移動表を作る。年齢別にどうなっているのかもはっきりさせる。まず社会増減、自然増減の実態をつぶさに把握することだ。

西日本の県や市町村では、沖縄県や鹿児島県あたりで自然増が続くようなところもある。しかし全国的には自然減が圧倒的に多くなってくる。その理由が何なのか。いま起きていること、これから起きそうなことを具体的に考えて対策を取る。

それも一つの市町村だけでは対策は完結しなくなる。たとえば自分の自治体だけで若い人が外に出ていかないような仕事場をつくるのには限度がある。機能分担するところまで近隣自治体が連携しなければならなくなる。あれやこれや、試み挑戦すべき対策メニューはたくさんある。

社会保障制度の見直しが必要

──社会保障への影響も大きい。

人口減少が町村部で先行的に起きてくれば、介護保険の将来の姿は不安に包まれたものになる。いずれは市町村ごとの介護保険のあり方を抜本的に変えていかなければいけなくなり、社会保障の制度設計のし直しが始まる。人口急減は、「一人で一人を肩車する」ような社会保障制度さえ無理にする。社会保障はもろに影響を受けてしまう。

──政府が新たに創設した「まち・ひと・しごと創生本部」の役割は大きいわけですね。

鳥取県出身の適役を地方創生担当相に迎えて大いに期待している。有識者懇談会においても真剣な議論が始まっている。

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