「文系社員」が生き残るには「数学語」が必須な理由 数学を学び直して「数の世界への見通し」をもつ

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まして、コロナ禍の1年あまりの間に、さまざまな仕事がオンラインで進むようになりました。もちろん「空気感が伝わりにくい」という問題点はあるものの、「気は心」とばかり空気感だけに頼るような仕事をしていた人の存在意義は薄れる一方です。

こうした中で、いわゆる文系社員の危機感は強まっています。

そして、冷静に議論をしてビジネスを想像していくための基本的な素養として、STEMの”M”、つまり理系的思考の根源にある「Mathematics=数学」への関心が高まっているのでしょう。

高校2年に「数学は卒業」という文系の学び

しかし、闇雲に数学を学び直そうとしても、それはそれで難しいものです。高校数学の参考書を読めば、たしかに懐かしい感じは湧いてくるし、問題を解けば「ああ、こうだった」と感じるでしょう。しかし、だからといって現在のビジネスにおける不安感が解消されるわけではありません。

なにより大切なのは、数学の「根っこにある考え方」を理解して、かつて学んだ数学の「意味」を再確認して、「数の世界への見通し」をよくすることではないかと思います。

そう考えたときに、「見通しがぼんやりして来た」のはいつ頃だったのでしょうか?

中学から高校に入った頃までは、どうにかついていっても、高校2年の頃に「モヤモヤ感」が高まっていくのではないでしょうか。

具体的には、「数列」「対数」「ベクトル」「確率」「行列」「微分積分」といったことに手ごわさを感じたことで「自分は文系だな」と思った人が多いのです。

そして、大学入試でも数学を選択することなく、就職まで数学と無縁だったのにもかかわらず、ここに来て「これだとまずいかも……」という人が増えてきました。だから、文系のこんな「つぶやき」が効かれるようになったのです。

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