ロシュ、米インターミューンを買収へ バイオ医薬品メーカーを83億ドルで

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 8月24日、スイスの製薬大手ロシュ・ホールディングは、米バイオ医薬品のインターミューンを現金83億ドルで買収することで合意したと発表した。 5月撮影(2014年 ロイター/Aly Song)

[ロンドン/チューリヒ 24日 ロイター] - スイスの製薬大手ロシュ・ホールディングは24日、米バイオ医薬品のインターミューンを現金83億ドルで買収することで合意したと発表した。

ロシュは、8月29日にかけてインターミューン株を1株=74.00ドルで株式公開買い付け(TOB)する。買い付け価格は、インターミューン株の8月22日の市場終値を38%上回る水準。

両社の取締役会はすでに買収合意を推奨している。ロシュにとっては、2009年にジェネンテックの未保有株を約470億ドルで取得して以来、最大規模の買収。シュバン最高経営責任者(CEO)は、インターミューンの買収で、呼吸器分野を多様化、強化することができると述べた。

インターミューンについては8月13日、身売りを含めた経営戦略上の選択肢を金融機関と協議しているとの関係筋情報が報じられた。これを受けてインターミューン株は急伸。ロシュの買い付け価格は、報道直前の8月12日の株価に63%のプレミアムが乗った水準。

ロシュをめぐっては最近、傘下の中外製薬<4519.T>株式の未保有分を取得し完全子会社する方向で協議と一部メディアで報道された。中外製薬は報道を否定した。

シュバンCEOは、インターミューン買収によって、中外製薬の完全子会社化に乗り出す可能性が低下するかどうかについては、コメントを差し控え、ロシュは引き続き事業の拡充を目的とする「ボルト・オン」買収を進める方針と述べた。

今回の案件について、ロシュのアドバイザーはシティ、インターミューン側はセンタビュー・パートナーズとゴールドマン・サックスがそれぞれ務めた。

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