「自分は他者よりも優秀」に見える危うい思考回路 多様性や個性を認めてこそ自分の価値がわかる

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上司に不満を持つ30代会社員からの相談です(写真:takeuchi masato/PIXTA)

→安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

比較的規模の大きな会社の、部員20名弱の部に所属しています。自分自身は管理職ではなく部員です。
部内に自分より仕事ができる人がおらず、尊敬できたり、ついていきたいと思えたりする上司もいません。私は自分の業務は誰よりも早く、正確にこなしますし、資料作成やエクセルワークもピカイチです。課長や部長より、そういったスキルは高いと自負しています。
このように目指すべき先輩がいない場合は、転職して自分よりもできる人についたほうが成長できるものなのでしょうか?
会社員 KT

上司と部下では役割や仕事内容が異なる

まず、上司(管理職)と部下(部員)では、求められる役割も、能力も、そして仕事内容も異なることを理解しましょう。

KTさんの業務に対する自己評価に関しては判断しかねますが、少なくともできる人は、自分自身のできる部分と至らない部分とをキチンと理解したうえで、何をすべきか、何に注力すべきかを判断しています。

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そのうえで、自分自身の強み(=社内における存在価値)や弱みを理解し、同僚などの存在価値(=強み)を受け入れることが、働くうえでは非常に重要になってきます。

すべてにおいて完璧な人なんて世の中に存在しませんから、それぞれが自分自身の強みや特徴、個性を持ち合って、つまり支えあって業務をこなすことになります。これは職場だけではなく社会全般にもいえることで、多様性や個性を認め、活かしあって、1+1を2以上の結果に生み出そうとするのが社会の本質です。

ですから、「自分は他人よりも“ある分野において”優れている」、イコール「他人は自分よりも劣っている」と、安易に考えるべきではありません。

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