フジテレビ、愛国報道の「異様な光景」 ジャパンエキスポは排他的なイベントではない

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7月にパリで行われた「ジャパンエキスポ」には5日で27万人が来場した(写真:AP/アフロ)

「ジャパンエキスポ」は、毎年7月にパリで開催される、日本のポップカルチャー、ファッション、伝統文化、食文化などを紹介するイベント。年々参加者が増え続け、2014年は7月2~6日の5日間で27万人の参加者を記録した。

7月24日と25日に、フジテレビは「NEWS JAPAN」の中で、このイベントを題材にした特集を2夜にわけて放送している。このうち問題は、24日に放送されたものだ。ご覧になっていない方は、まず『「ジャパンエキスポ」に韓国商品 その実態を取材しました。』をみてほしい。

内容には、愛国的なバイアスが過度にかかっている。筆者は長年フランスのおたく事情をウオッチし、「ル・オタク」というフランスでのオタク文化の伝播の歴史に関する本も書いたことがある。ジャパンエキスポは、これまで何度も取材しており、報道内容の偏向ぶりに強い違和感を覚えた。

一部のブースで「異様な光景」?

2011年も韓国関連の物販は目立っていた

報道の内容は、ジャパンエキスポは日本文化を紹介するイベントであり本来、日本一色のはずが、一部のブースでは、「異様な光景」が見られたというもの。確かに、ブースには「K-POP」の商品が並んでいる。韓国の商品を買った来場者が「アジア全体をカバーしているのがジャパンエキスポのいいところじゃないかしら」と語るなど、来場者の間で誤解を招きかねない事態になっている、というのだ。

まず、そもそも一部の物販ブースで韓国関連商品が売られていたことが、それほど「大問題」なのだろうか。これが日本政府主催のイベントであれば問題かもしれないが、主催しているのは、現地の民間企業である。

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