新型フェアレディZとスープラ買うならどっち? 日産とトヨタ、国産3.0LターボFRスポーツ対決

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スープラのインテリア(写真:トヨタ自動車)

メーターには8.8インチ高精細カラーモニターを採用し、回転計やシフトインジケーターなどスポーツ走行時に必要な情報をセンターに集約し、小径ステアリング越しに自然にフォーカスできるレイアウトとした。また、ヘッドアップディスプレイやパドルスイッチ、ステアリングスイッチなど、スポーツドライブに必要な視認・操作系のエレメントをドライバー正面に集中配置し、タイトに包括した新しいコクピット様式も採用する。スポーティかつ高級感が漂うという点では、これも両車互角といえるだろう。

価格とおすすめのユーザー

新型Zの走行イメージ(写真:日産自動車)

新型フェアレディZの価格は、先行発売される北米仕様車もまだ正式発表になっていない。ただし、現行6代目の価格(税込)397万9800~530万8600円(日産のスポーツブランド「ニスモ(NISMO)」専用チューニング仕様は640万9700~651万9700円)よりは、値上げされることが予想される。北米仕様の場合で4万ドル(約440万円)~だといわれている。

スープラの走行イメージ(写真:トヨタ自動車)

対するスープラの価格(税込)は、新型フェアレディZと同じ3.0Lツインターボ車のRZが731万3000円(2.0Lツインターボ車はRZが499万5000円、SZ-Rが601万3000円)。スープラは、トヨタ製スポーツモデルのフラッグシップであることと、オーストリアのマグナ・シュタイヤー社グラーツ工場で生産される輸入車であることもあり、価格が高めだ。3.0Lツインターボの大パワーを、より安く手に入れるという点では、まだ価格ははっきりしていないものの、新型フェアレディZのほうに軍配が上がる可能性が高い。

しかも、先述したように新型ZにはスープラにないMT仕様の設定がある。クルマをより自在に操る感覚を堪能したいクルマ好きには、今や貴重ともいえるMT仕様のスポーツカーを選ぶユーザーも多い。その意味で、フェアレディZのほうがより幅広いニーズに対応しているといえる。

いずれにしろ、両車は、3.0L・6気筒エンジンを搭載した国産スポーツカーという「古きよき時代の名車たち」を継承している点で、どちらも貴重なモデルだ。カーボンニュートラルに向けた排ガス規制やクルマの電動化が世界的に進む中、こうした大排気量の内燃機関を搭載する国産スポーツカーを手に入れられるのは、今が最後のチャンスかもしれない。

しかも価格はいずれも1000万円以下。2000万円を超えるスーパーカーなどと比べれば、「手が届きやすい」ことも魅力だ。世界のスポーツカー愛好家にとっては、どちらも手に入れて「絶対に後悔しない」価値があることは確かだろう。

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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