大阪・京都市内「初乗り運賃以下」で移動する裏技 地下鉄・バスの「乗継割引」をうまく活用しよう

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京都にも地下鉄とバスの乗継割引制度があり、これを活用すれば実質的な往復移動を大幅に安く利用できる。こちらも当日中なら時間制限なしだが、地下鉄駅付近の指定のバス停で直接乗り継ぎの場合のみ有効だ。

割引額はICカードだと60円だが、ほかに「地下鉄・バス連絡普通券」という紙の切符もあり、こちらは割引額が120円。ICカードの場合は乗り継ぎ対象のバスが市バスと京都バスのみだが、連絡普通券は市バス・京都バス・京阪京都交通・京阪バスが対象となる。バスは230円区間の利用を前提としており、240円以上のバスは差額追加で利用できる。

京都の市バス。京都も地下鉄とバスの乗継割引が充実している(写真:のりえもん/PIXTA)

紙の切符購入が面倒で、かつICカード運賃よりも安くしたい場合は地下鉄・市バス・京都バスで利用できる割引付き磁気カード「トラフィカ京カード」でも乗継割引が適用される。こちらも直接乗り継ぎの場合のみ有効だが、当日中なら時間制限なしでしかも割引額は120円とお得だ。ただ、京都市交通局の割引乗車券見直しにより、トラフィカ京カードは今年の9月末で販売を終了する。利用は2023年3月末まで可能とのことだ。

<使用例>
【地下鉄初乗り圏】
地下鉄往復440円→バス乗り継ぎで330円に(実質片道165円)
・京都―四条(四条烏丸):ビジネス街への出張に
・四条(四条烏丸)―京都市役所前:行政手続きに
・四条(四条烏丸)―二条城前:城址観光に!
【地下鉄運賃2区圏】
地下鉄往復520円→バス乗り継ぎで370円に(実質片道185円)
・二条―東山(東山三条):地下鉄8分、バス最速22分
・四条(四条烏丸)―東山(東山三条):地下鉄14分、バス最速11分
・京都―東山(東山三条):地下鉄14分、バス最速19分

制度をうまく使って苦境を乗り切ろう!

京都はバス路線網が充実しているのでこの方法は非常に使いやすい。ただしバスは渋滞や混雑などで非常に時間がかかることもあるので、京都駅から乗る場合は行きを地下鉄、帰りをバスにすることをおすすめする。

いかがだったであろうか。またまたケチと言われそうだが乗継割引は交通機関側がサービスとして提供しているものだ。利用できるシステムは使ったほうがいい。増え続ける経済苦の中、ケチにならずして何になるというのだろうか。共感いただけた方はぜひご一緒に、ケチの美学に目覚めようではありませんか!

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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