アフリカを侮る日本人が知らない超激変のリアル 貧しいだけの地域だと思っていたら大間違い

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ルワンダの首都キガリやケニアの首都ナイロビは、標高が1500~1800mほどあります。高地なので、とても過ごしやすい気候なのです。朝は気温15度、昼間は28度くらい。これがほぼ1年中、続きます。30度まで気温が上がることは、まれです。月間の平均気温は1年中20~22度です。雨季と乾季はありますが、高地ですから湿度もたいして高くない。
そうなのです。とても快適なのです。日本では、湿度も温度も高い都市部を離れ、夏は避暑に軽井沢に行ったりする人も多くいますが、それこそキガリやナイロビは、1年中「夏の軽井沢」状態なのです。最高に過ごしやすいのです。
(38ページより)

当然のことながらジャングルや砂漠は暑く、ケニアでも海沿いは暑い。しかし、少なくとも「アフリカは暑い」という大雑把な解釈は避けたほうがよさそうだ。

電気は来ていなくても、スマホは持っている

アフリカについては「電気が普及していなさそう」というイメージもあるかもしれないが、これはあながち的外れではなさそうだ。ルワンダのように農村部の約6割の世帯に電気が通っているところもあるとはいえ、アフリカ全体で見れば農村部の無電化率は6割以上。電気が来ている家のほうが少ないということだ。

人口の8割は農村に住んでいるという国も多い。つまりアフリカのおよそ半分くらいの人は、電気のない家に住んでいるということだ。100年ほど前、1919年の日本の電化率が50%だったそうなので、同じことがいま、アフリカで起きていることになる。

しかし、かつての日本と違うところは、アフリカの成人は全員と言っても過言ではないほどに、みんなスマホやケータイをすでに持っていることです。
電気は来ていないけれど、スマホやケータイは使うのです。何をしているのかというと、通話やWhatsApp、フェイスブック、ゲームなどをしています。そしてなんといっても、スマホやケータイはお財布の代わりにもなっているのです。生活の必需品です。(51ページより)

電気がないのにどうやって充電するのかと不思議に思われるだろうが、小型のソーラーパネルを使ったり、村のキオスク(パパママショップ)の充電サービス(1回約20円程度)などを利用しているのだという。

ケニアやタンザニアのサバンナで放牧をしながら暮らすマサイ族も、成人のほぼ全員が所有しており、フェイスブックなども積極的に活用しているようだ。

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