「働かないオジサン」の境界線はどこにあるのか ケーススタディで考える若手社員の対処法

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「なぜあの人は、働かないのか?」「働かないオジサンの4類型」「働かないオジサンにならない4つの働き方」など、研究の集大成がついに刊行!
どこの職場にもいる、「働かないオジサン」――若手社員の不満が集中する彼らは、なぜ働かなくなってしまったのか? 「どこの職場にもいる」ということは、何か構造的な問題が隠れているのではないか? ベストセラー『人事部は見ている。』の筆者が、日本の職場が抱える問題に鋭く迫る。
※ 本連載が、単行本になりました。
人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人』(税込み1404円)。
働かないオジサンが生まれる構造的な要因を特定し、その要因を避けて何歳になっても成果を出す「4つの働き方」を解明。さらに「働かないオジサンにならない7カ条」もついた、「働かないオジサン」研究の集大成です。

 

6月27日に掲載した記事の最後で、「これは、『働かないオジサン』なのか?」という課題を提示して、読者の皆さんから意見を頂戴した。今回は、この課題について考えてみたい。

以下に前回の課題を再掲したので、自分なりの考えをもって、読み進めていただければと思う。

 A君は、入社7年目の30歳。不動産販売会社の営業所で、主に、住宅地の新築・中古物件の売買を担当している。営業はエリア制で、私鉄の4駅の沿線が主な担当である。
 A君の職場には、50代半ばのオジサンが2人いる。
 ひとりは、A君と同じ課にいるBさんだ。実は一昨年まで、A君の直接の上司だったが、役職定年になって、昨年から一営業員として隣のエリアを担当している。近隣の地域で物件を探している顧客が多いので、営業担当者同士の連携が必要なのだが、Bさんは、役職を外れてから意欲を失ったようで、必要な連絡がなかったりタイミングが遅れたりして、成約するチャンスを逃してしまうこともある。
 成績によってボーナスの査定にも影響が出るので何とかしたい。A君はほかの担当者とは特に問題はない。上司である課長もBさんの状況は知っているが、今は特に注意はしていない。
 もうひとりは、総務担当のCさんだ。Cさんは、親会社である大手不動産会社から出向してきて、総務担当部長をしている。契約書管理、信用力の調査、コンプライアンス、税理士相談の手配などを担当している。
 特に若い担当者に対しては、契約書やコンプライアンス面の不備を厳しく指摘する。言うことは間違っていないのだが、Cさんの上から目線の話し方に、A君はいつも反発したくなる。またCさんはバブル期に営業を経験しているので、現在の顧客の厳しい状況も理解していない。A君たちは、顧客の都合で毎日遅くまで仕事をしているのに、Cさんは、定時になると、すぐに帰ってしまうのも納得がいかない点だ。事務職の女性陣からは、すでに販売会社に転籍しているのに、親会社のほうばかり向いているという批判も聞いている。
 A君は、このBさん、Cさんが自分よりも高い給与をもらっていると考えると、腹が立ってくるという。
 さて、このA君の考え方は、もっともなのだろうか? それとも、A君にも改善すべき点があるのだろうか? また、A君がもう少しモチベーションを上げるための方策はあるのだろうか? あなたのご意見を教えてほしい。
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