清華大・理系エリートの超堅実な就職観

公務員になって党幹部になる夢も

エリートたちの就職観はどのように変わってきているのか。中国の政治指導者を輩出してきた清華大学の理系学生たちに、彼らの就職活動と今後の働き方について聞いた。

 

田中:まずは自己紹介からお願いします。

韓青松:韓青松といいます。清華大学電子工学系の修士課程の学生です。南方の地方政府に「選調生」(地方政府の党組織が各地のエリート大学で選抜した幹部候補生)として入ります。

馬那:私は馬那といいます。同じく清華大学電子工学系の修士課程の学生です。就職先は北京にある政府傘下の品質検査センターです。

蘇玲:蘇玲です。私も清華大学電子工学系の修士課程です。就職先は中国の中堅どころの商業銀行で、勤務地は広東省になります。

蒼衛鑫:蒼衛鑫です。清華大学のIT系の院生です。就職先は上海にある航空宇宙業界の国営メーカーです。

孫建平:僕は孫建平といいます。清華大学のIT系の院生で、就職先は中国の四大銀行の一つです。でも、卒業後は実家のある東北地方の街に戻り、そこの支店で働きます。

外資へ行く卒業生も多い

田中:みなさんの就職先は国有企業や銀行、公務員ですが、周りも同じような感じでしょうか?

:いいえ。外資や中国の民間企業に行く人もけっこういますよ。

:僕らの学科はIT系なので、中国の大手インターネット企業などに就職する人がすごく多いです。特に北京はIT企業が集中しているので、そういうところに就職する人が半分以上いると思う。

:外資ではグーグルやマイクロソフトとかもいるな。

田中:では、銀行や公務員というのは特殊ですか?

:僕のような「選調生」の公務員というのはちょっと特殊ですが、銀行や国有企業はけっこう多いですね。

田中:どうして今の就職先を選んだんでしょう?

:僕の場合、もともと公務員はあまり考えていませんでした。最初に内定をもらったのは、実家のある省都の電力局で、両親は大満足でした。実家から通えるし、仕事は安定しているし、給料や待遇面も現地では中の上くらいだったからです。

でも少し考えて、ここに入社したら、自分は何ができるか全くわからないと思いました。電力局の仕事は、これまで考えてきたキャリアパスとは異なります。完全に気持ちを切り替えないといけません。

田中:考えてきたキャリアパスというのは?

:僕は理系で技術を学んできましたが、1人で仕事に向かう技術職よりは、大勢の人と関わる管理の仕事をしたいと、ずっと思っていました。特に自分の努力次第で、より高い地位につける仕事を希望していました。

電力局の仕事は安定していますが、発展空間は限られます。一方、「選調生」であれば、僕が考えてきた仕事内容やライフスタイルにあうと思いました。故郷から遠く離れますし、給料もあまりよくありませんが、やるからには自分のやりたい仕事につきたいです。

田中:「選調生」は一般の公務員とは違いますね?

:一般の公務員は国家試験を受け、合格するとそれぞれの役所に配属されます。それとは別に、毎年、各地方政府が全国のトップ大学で、「選調生」を募集します。これは新卒生のみが対象となり、合格すれば最初から幹部候補として採用されます。

田中:仕事の内容はどんな感じですか?

:最初は地方の郷鎮政府で、基層の農村農業に関した仕事をし、経済発展の過程で生じる矛盾などを解決してゆきます。その後、さらに鎮長、県長と政治の抱負を実現してゆくことになるでしょう。でも具体的にどういう仕事をするかは、配属されるまでわかりません。

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