モンストに沸くミクシィ、次の一手は? 森田新社長が語る、ミクシィの新戦略

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モンスト大ヒットの立て役者である森田仁基社長(撮影:梅谷秀司)
 「スタートアップ」とは、なにも「新しい会社を創業すること」に限定されているわけではない。既存組織の中で「新事業を立ち上げること」も、スタートアップだ。SNS「mixi」の低迷により2014年3月期の第1四半期から第3四半期まで営業赤字に苦しんでいたミクシィは、積極的な新事業育成策を推進。その結果として、スマホ向けネイティブアプリ「モンスターストライク(モンスト)」が大ヒットし、第4四半期には黒字化を達成。株価は記録的な急騰ぶりをみせた。なぜミクシィは新事業のスタートアップに成功したのだろうか。6月に就任したばかりの森田仁基社長に話を聞いた。

 

山田 森田さんは先月(2014年6月)の24日に、ミクシィの新社長に就任しましたが、社長になってみて、何か今までと変わったことは?

森田 ぶっちゃけ、ないですね。今年2月の社長交代発表のころから今の体制で準備を始めて、そのころから数えるともう4カ月たつので、もう毎日普段どおりという感じです。

山田 この4カ月の間に行ったのは、どんなことですか。

森田 スマホのアプリゲームのモンスト(モンスターストライク)が伸びている最中だったので、うまく成長についていけるように、人員の配置をモンストに寄せていったりしました。それで3月にテレビCMを打って、一気に成長を加速させていった。あとは4月以降のグローバル展開を考えたり。

それからいまミクシィではサービス開始10周年に合わせて、人と人がつながれるようなコンテンツ企画を考えたり、あるいは社員が気持ちよく働けるような人事制度の改定や仕組み作りなどをしていました。

なによりも適材適所が重要

山田 昨年はいわゆる「リストラ騒動」もあったので、モチベーションを高めるような人事制度が重要になりますね。

森田 重要だと思います、弊社、リストラはやっていませんけど。僕自身は昨年から、ミクシィとモンストの両方をみていて、自分の管轄下の人事を担当しており、モチベーションを上げるには、なによりも適材適所が大事だなと思っていました。そのためにはとにかくスタッフとコミュニケーションをすることだと。

例えば何年もカスタマーサポートの仕事をやっていたスタッフが、今はモンストのガチャ企画を考えたりするんですよ。人によって得意分野があるんだけど、まだ自分で気付いていなかったり、生かせるポジションにいなかったりということが、すごくたくさんあった。そこはスタッフとコミュニケーションを取りながら異動させていくことによって、スタッフもモチベーション高く、成果を出せるような形で仕事ができるようになったので、今後はそういうことも全社的にやっていきたいと考えています。

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