ミクシィ、社長交代の真相は? 朝倉社長が就任1年で顧問に退くのはなぜか
ミクシィは2月13日、31歳の朝倉祐介社長が6月24日付で「代表取締役社長」を退き、「顧問」になる人事を発表した。
在任期間はわずか1年。大ヒット中のスマホゲーム「モンスターストライク(モンスト)」の貢献により、16億円の営業赤字を見込んでいた今期業績は、2億円の営業黒字に改善する見込み。「ミクシィは事業再生フェーズから再成長のフェーズに移っていく」(朝倉社長)。広告収入の激減でどん底だったミクシィを救う経営再建にメドがついたとし、トップの交代に踏み切る。
「やるべき仕事は全うした」
朝倉社長といえば、2013年6月に鳴り物入りで社長に就任したのが記憶に新しい。競馬騎手の養成学校、東大法学部、マッキンゼーという異色の経歴が注目を集め、メディアをにぎわせた。
入社経緯も独特だった。朝倉氏がミクシィに入社したのは、11年10月。自身が立ち上げた携帯アプリの開発支援会社ネイキッドテクノロジーがミクシィに買収されたのがきっかけだ。12年4月の社長室室長就任時から、ミクシィの経営再建に携わってきた。
朝倉社長は自身が行ってきたM&Aによる新規事業の取得やスマホアプリゲームの強化、中国子会社閉鎖によるコスト削減などの取り組みを振り返り、「ノーアウト満塁を任されたピッチャーとしてやるべき仕事は全うしたと思っている」と自信ありげに語った。
それにしても、任期をまだ4カ月残す2月というタイミングでの交代発表は、朝倉社長がミクシィ人生をやや生き急いだような印象が拭えない。朝倉社長はこのタイミングについて、「ゲームの課金収入の推移は日次でわかり、12月にかけて状況が改善しているのが見えていた。実際、1月の半ばに12月の決算が出ると、黒字転換ができていた。そこで非常事態期を脱出することができたと判断し、速やかに次の成長フェーズに適した布陣を敷いた」と説明した。
この判断は特定の人物の意思ではなく、経営陣間で自然に起こった議論の中で出てきた話だという。しかし、フェーズ転換の判断の基となったとしている数字の改善は、事実上モンストという1タイトルのゲームに依存しており、本質的とは言いがたい。
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