ミクシィ新社長、挽回のシナリオ

異色の経歴を持つ30歳新社長の手綱さばき

競馬騎手の養成学校、東大法学部、マッキンゼー。異色の経歴を持つ人物が、伸び悩むネット企業の再生を託された。

SNS(交流サイト)大手のミクシィは5月15日、創業者で50%強の株を持つ笠原健治社長(37)が代表権を持たない取締役会長に退き、執行役員の朝倉祐介経営企画室長(30)が社長に就任すると発表した。

朝倉氏がミクシィに入社したのは2011年10月。自身が立ち上げた携帯アプリの開発支援会社ネイキッドテクノロジーがミクシィに買収されたことがきっかけだ。ネイキッド社は半年で売却されてしまったが、ミクシィに残った朝倉氏はユニット制導入などの社内改革を主導。その実績が評価され、入社からわずか1年半で社長に抜擢された。

そのスピード出世もさることながら、今回の人事で話題となっているのが、朝倉氏のユニークな経歴だ。

兵庫県西宮市、阪神競馬場の近くで生まれた朝倉氏。競馬の騎手にあこがれ、中学校を卒業すると単身オーストラリアで騎手養成学校に通った。だが、身長が伸びすぎたため、夢をあきらめて帰国。北海道で馬の調教助手をしていたが、今度はバイクの事故に遭う。「今後どうなってしまうのか」(朝倉氏)という大ケガを機に進路を変更。大学受験資格を得られる専門学校に通い、20歳で東大法学部に入学した。

東大在学中にネイキッド社のほか学習塾などの起業に携わり、卒業後はコンサルティング会社のマッキンゼーに入社した。しかし、「実践のほうが学ぶことが多い」(朝倉氏)とネイキッド社の経営に舞い戻った。

笠原氏は朝倉氏について「つねに冷静でありながら、時に情熱的に物事を幅広く判断することができる人物」と評する。一時期、ネイキッド社に出資していたベンチャーキャピタル幹部は「経歴だけだとエキセントリックに見えるが、年長者を立てるなど気配りができる。笠原社長よりもネットワーク作りがうまいかもしれない」と語る。

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