スマホ専用の放送局なんていらない!! <動画>総務省が進める「電波のムダ使い」を一喝

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やや旧聞に属するが、総務省は4月9日、電波監理審議会の答申を受けて、テレビ放送の地上デジタル化によって空いた「V-High放送(モバキャス)」の周波数帯に、5つの事業者の新規参入することを認めた。

これまで、この周波数帯ではNTTドコモの子会社であるmmbiのみが、モバイル放送「NOTTV」を放送しており、ドコモの対応スマートフォン、タブレット端末のみで受信されていた。そこに今回、新たに参入が決まったのはスカパー・エンターテイメント、フジテレビ、アニマックスブロードキャストジャパン、AXNジャパン、日本映画衛星放送の計5社。総務省は申請をしてきたすべての会社に参入を認めたことになる。

新たに開始されるチャンネル数は6つで、番組の放送開始は2015年4月になる見通しだ。これまではNOTTV専用で月額400円だった料金は、チャンネル数の増加により値上げが検討されている。

しかし、だ。

そもそも、mmbiは巨額の赤字が続く。会員も伸びなやんでいる。そうした中で、なぜ総務省は5社も参入させるのだろうか。日本の放送方式である「ISDB-T」はアイフォーンやグローバルなアンドロイド端末は対応していない。そのため、得をするのはガラスマ(ガラパゴススマートフォン)を製造しているような、一部の日本メーカーだけ。しかも利用する人が増加するような見込みはほとんどない。

電波のムダ使いを即刻止めるべし――。夏野氏の怒りは止まらない。

この企画は週刊『夏野総研』とのコラボレーションにより運営しています。

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夏野 剛 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授

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なつの・たけし

早稲田大学政治経済学部卒業、東京ガス入社。米ペンシルベニア大学経営大学院ウォートンスクール卒(経営学修士)。NTTドコモでiモードの立ち上げに参画。執行役員マルチメディアサービス部長を務め、08年に退社。現在は慶應義塾大学政策メディア研究科特別招聘教授のほか、ドワンゴ、セガサミーホールディングス、ぴあ、トランスコスモス、DLE、GREEの取締役を兼任。経産省所轄の未踏IT人材発掘・育成事業の統括プロジェクトマネージャー現任。ダボス会議で知られるWorld Economic Forum の“Global Agenda Council”メンバーでもある。


 

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