日朝電撃合意の裏で、北朝鮮が抱く恐怖

2002年の二の舞いを北朝鮮側は恐れている

「今まで日本側の要請を断ったことはない」と宋日昊・日朝国交正常化交渉担当大使(写真:AP/アフロ)

5月29日に電撃的に発表された、拉致問題に関する日朝合意。日本と北朝鮮の同時発表形式は極めて珍しい。さらに、「拉致問題は解決済み」で一貫してきた北朝鮮と「圧力一辺倒」の日本との歩み寄りは、輪をかけて異例といえる。

ただし、突然の妥協を肯定的にとらえる世論がある一方で、すでに両国の間では食い違いも生じている。

たとえば、日本の独自制裁の解除時期について、北朝鮮が「(拉致問題に関する)特別調査委員会を作って調査を開始した時点で制裁解除」としているのに対し、日本は「北朝鮮側の調査開始の動きを確認してから制裁解除」と、内容が微妙に異なる。

調査委員会が持つ権限についても、北朝鮮側は「特別な権限を持つ」、日本側は「すべての機関を調査できる権限を持つべき」としている。「この食い違いから亀裂が生じなければよいが」(自民党関係者)と、政界では先行きを心配する声が広がっている。

中身のある調査ができるのか、出てきた結果は信頼できるのかについても、疑問の余地が残る。2002年の小泉純一郎首相の訪朝で判明した調査結果や、その後北朝鮮が送ってきた遺骨の真偽をめぐり、日本国内で不信感が高まったのは記憶に新しい。

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