北朝鮮、「中国一辺倒路線」の見直しも 金正恩第1書記が、肉声で「新年の辞」を発表

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金総書記死去から2年、李雪主夫人とともに式典に出席する金正恩氏 (昨年12月、ビデオ画像/KRT via AP Video/AP/アフロ)

北朝鮮の最高指導者・金正恩第1書記が1日、新年の辞を発表した。「経済建設と人民生活の向上のための闘争において、農業を主な攻撃方向とする」と述べ、農業分野の発展に注力することを表明した。故・金正日総書記時代のような「共同社説」という形ではなく、今年2014年も昨年に続き、金第1書記がテレビの前で直接スピーチする形で発表された。

食糧増産を強調の一方、外資導入には言及なし

経済面では農業分野の改善について最初に述べ、「農業部門では科学的営農方法を積極的に受け入れ」、食糧増産に力を入れることを注文した。また、建設部門では「世界的レベルの立派な建築物と人民の生活条件を改善するための施設建設」に力を入れる一方、発電所の建設・改善、住居建設、教育制度の拡充に注力することを訴えた。

金第1書記が本格的に最高指導者となった2012年から継続して強調していた軽工業分野に関する言及は後回しになり、「現代化を進め原資材の国産化に注力し、生産を正常化させる」となど、従来の言い回しに終始している。

一方で、全国民の潜在力を発揮し増産に努めようとしながらも、国民に節約を呼びかける部分もある。昨年、力を入れていた経済開発区設置による外資導入や対外貿易に関する言及がないことが気になる部分だ。

次ページ核については、かなり抑制的なトーンに終始
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