北朝鮮が「マンション崩壊」を報じた裏事情

なぜ隠ぺいせずに報道したのか

異例の事故報道。その背景には何があるのだろうか(写真:Getty Images)

報道はすべて管理・統制されている北朝鮮で、驚くべきニュースが流された。

5月18日、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は「5月13日に平壌市平川区域の建設現場で住民向けのマンション建設をいい加減しに行い、それに対する監督統制をきちんとしなかった幹部たちによる無責任な行動で重大な事故が発生し、人命被害が出た」と報じた。北朝鮮で死亡者が発生するほどの大事故に関する報道がなされるのはきわめて異例なことだ。

同通信はさらに、事故発生から即時に国家レベルでの「非常対策機構」が発動され、生存者を救出し、負傷者を治療し、事故現場を整理するための「戦闘」が繰り広げられていると伝えている。

「謝罪と反省」幹部らが平謝り

特に、17日には人民保安部(治安担当機関)の崔富日(チェ・プイル)部長や平壌市人民委員会のチャ・ヒリム委員長など朝鮮労働党の幹部らが被害者遺族たちをはじめとする市民に会い、「心からの深いお詫びと謝罪を示した」とまで報道、朝鮮労働党機関紙である『労働新聞』18日付の記事には、集まった住民たちの前で深くお詫びをしている写真まで掲載されている。

事故を伝えるのも異例なら、その内容と政府・党側が被害者に謝罪したということまで報道するのも異例中の異例だ。ただ、今回の事件で死者・負傷者数など具体的な数値は発表されていない。韓国政府関係者の話によれば、崩壊したのは23階建てのマンションで92世帯がすでに入居していたと言う。1世帯当たり4~5人住んでいたとすれば、300~400人ほどが住んでいた計算になる。

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