イオンがブームに着火、「格安スマホ」の行方 月額3000円を切るスマホはどこまで伸びるか

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13年度末の携帯電話契約数におけるスマホ比率は47%(MM総研調べ)。携帯会社は音声定額プランなどでさらにガラケーユーザーの乗り換えを狙うが、スマホにすると毎月の支払額は2000円以上上がる。そのため、乗り換えペースの鈍化が顕著になっているのだ。

だが、携帯会社も収入を引き下げるような大胆な低価格プランは投入しにくい。格安スマホは、こうした大手各社の戦略のすき間を突いた商品といえる。

格安スマホ市場はまだ始まったばかりで、今後の成長余力も大きい。「端末メーカーや異業種の参入でさらに盛り上がる可能性がある」(日本通信の福田尚久副社長)。

総務省によれば、13年末のSIMカード型サービスの契約数は138万件。MM総研の篠﨑忠征氏は「数年後には年300万~500万枚売れる市場になる可能性はある。その中で、格安スマホはユーザーの有効な選択肢になるだろう」と分析する。

懸念されるのは、購入者がサービスの中身をしっかり理解しているかどうかだ。

安さには理由がある。端末は型落ち(旧型)で、通信速度やデータ量が制限されていることが多い。音声通話にIP電話を使用している場合、通常のスマホと比べて音質が劣る場合やつながりにくいこともある。こうした問題点を知らないまま、冒頭のように「2980円で使えるアイフォーン」と思って購入すれば、後になって不満を感じるだろう。健全な形で販売を伸ばすためには、店頭での丁寧な説明が不可欠といえる。

週刊東洋経済5月24日号<19日発売>「核心リポート01」)

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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