イオンがブームに着火、「格安スマホ」の行方 月額3000円を切るスマホはどこまで伸びるか
SIMカードを提供するIIJも「SIMカード単体の販売は初心者向けではなく、限界があった。端末と合わせることでより多くの方に訴求できる」(ネットワークサービス部の佐々木太志担当課長)と期待を寄せる。
他社製端末を仕入れるのではなく、端末開発まで手掛けたのが、フリービットだ。
同社は昨年11月以降、通信料と端末代込みで月額2000円のサービスを提供している。海外EMSと連携して独自端末「PandA(パンダ)」を開発し、自社のクラウド技術で端末のスペックを引き上げる。販売店も出店するなど、開発からサポートまで一貫して担当する。「トラブルがあってもグループで迅速な対応ができる。中間マージンも極限まで削っている」と石田宏樹社長は胸を張る。
福岡・天神地区での試験販売を終えて5月上旬に名古屋に出店。全国展開を見据え、東京出店も予定している。
5月1日、家電量販店のエディオンもNTTコミュニケーションズと組んで月1934円のサービスを始めた。15日には関西電力子会社の通信事業者ケイ・オプティコムもKDDIの回線を利用したサービスを発表したばかりだ。
端末が安くなった
なぜ今、格安スマホが続々と誕生しているのか。その理由は3点ほど考えられる。
まずは接続コスト。NTTドコモから回線を借りる際に支払うパケット接続料や音声接続料は毎年値下げされ、MVNOは数年前よりはるかに低価格で通信サービスを展開できるようになっている。
2点目は、端末コスト。アンドロイドOS(基本ソフト)の完成度が向上すると同時に、端末の価格が下がった。ZTEやASUSなど、数多くのアジアメーカーから低価格のアンドロイド端末が供給されている。2月に米モジラ財団が新OS「ファイヤーフォックスOS」を搭載した25ドル端末の計画を公表するなど、さらに端末価格は下落していく方向だ。
そして、最大の理由といえるのが、スマホを割高に感じてガラケーにとどまっているユーザーが多いことだ。
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