日本で「社内失業」が大量発生するワケ 景気回復で、失業率は改善してきたけれど……

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変化が起きても、対応しようとしない組織

それにしてもなぜ、こうした雇用のミスマッチが増えているのか?

・ビジネスの仕組みが大きく変わった

・仕組みの変化を予測した対応をしていなかった

ことなどが原因として挙げられます。たとえば、ある金融機関ではお客様との契約書関連がデジタル化することで、事務関連の仕事にかかわる人材300人が社内失業することが5年以上前からわかっていました。ところが、その対策を講じなかったため、事務関連部署の廃止を決めた後に、社内失業した人材の受け入れ先がみつからずに、社内で待機する状態になってしまいました。

リストラをする選択もありますが、日本には経営方針として大胆なリストラを嫌がる会社が少なくありません。

やはり、中長期的な視点から、経営陣には人材を数だけでなく、質の観点からも計画的に考えてもらいたいものです。また、自身が社内失業といった、ミスマッチのさ中におかれる事態は避けたいもの。転職せずとも社内におけるキャリアや市場価値について、自己分析を怠らないようにしたいものです。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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