「ゴーストオブツシマ」PS最高傑作と評される訳 全てが丁寧に作られた「時代劇ゲームの最高峰」

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正直、2周目を遊ぶようなモチベーションは湧かなかった。というのもストーリーと任意で攻略できる蒙古の拠点を解放していくと、最終局面に至るまでに、すべての「技」すなわち一般的なオープンワールドで言うところの「PERK」がすべて習得できてしまうからだ。

多くのオープンワールドゲームの場合、通常プレイではすべてのPERKを取得することができず、その取り方によってプレイスタイルが大きく変わる。

通常のオープンワールドゲームなら「1周目は近接武器のPERKを中心に強化してプレイしたので、2周目は遠距離武器中心のPERK編成でプレイしてみよう」といった遊び方ができるのだが、ツシマではそうしたPERKの割り振りを特に気にせずに遊べてしまう。

「ツシマ」はどんな人におすすめか?

よく言えば、1周分のゲーム体験ですべてを網羅できるという考え方もできる。1つのゲームにあまり時間をかけたくないプレイヤーであれば、これはむしろ利点とも言えるかもしれない。

さきほどは利点としてあげたミニマップの排除だが、町などで刀鍛冶や弓師といった施設の場所がわかりにくい点は気になった。ファストトラベルで直接施設にワープできてもよかった気もする。

最後に、このゲームを特におすすめしたい人は、いままで海外のオープンワールド作品をプレイしたことのない人たちだ。

海外のゲームは複雑で難しそうとか、逆に大味でバタ臭いようなイメージを持っている人たちもいるかもしれない。だが、シンプルな操作でかっこいい剣劇を楽しみながら、悲哀にあふれたストーリーをじっくりと楽しむことができるツシマは、きっと新鮮な驚きを与えてくれるはずだ。

赤木 智弘 フリーライター

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あかぎ ともひろ / Tomohiro Akagi

1975年栃木県生まれ。2007年にフリーターとして働きながら『論座』に「『丸山眞男』をひっぱたきたい――31歳、フリーター。希望は、戦争。」を執筆し、話題を呼ぶ。以後、貧困問題などをテーマに執筆。主な著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』などがある。

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