「国を挙げた最大のチャレンジ」である「働き方改革」。ところが、その中身は問題だらけだ。3月28日、参議院議員会館で「働き方改革に物申す」院内集会を開き、約100人の参加者を前に赤木智弘、おおたとしまさ、中川淳一郎の3人と働き方改革の疑問点、問題点を共有し合った。その模様をお届けしたい。
常見陽平(以下、常見):皆さんにまず問いかけたいことがあります。「働き方改革」にわくわくしていますでしょうか?
(場内シーン、一部苦笑)
生活が楽しくなるイメージは浮かばない
常見:この空気感がすべてを物語っているように思います。
安倍晋三政権は働き方改革を「国を挙げた最大のチャレンジ」と位置づけました。しかし、今行われている議論は、当初、掲げていたこととズレているのではないかと感じます。
当初は「ワーク・ライフ・バランス」の充実などが掲げられ、働きながら育児や社会活動のような「ライフ」の充実を可能にできる社会を目指していたはずです。しかし、電通過労自死事件が明るみに出たのをきっかけに、議論の方向性が変わっていきました。
今(3月28日現在)議論されているのは、残業時間に規制をかけるとして「100時間以上か未満か」「過労死ラインの80時間を容認するか」といった、「生きるか死ぬか」という意味の「ライフ」についてです。職場で人が死なない社会を実現することは大事であることは間違いありません。ただ、このまま「働き方改革」が進んだところで、われわれの生活が楽しくなって、わくわくするイメージはほとんど浮かびません。
そもそも、単に労働時間を短くしてすべて解決するのでしょうか。『平成28年版過労死等防止対策白書』においても、残業が発生する理由として仕事の絶対量の問題が指摘されています。根本的な問題を改善せずに、単に労働時間を短くしてうまくいくのか疑問です。サービス残業が誘発されるのは目に見えています。
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