ディズニー発ニコニコ経由で「作品」を売る

ディズニーとニコニコが組むと、こうなった(1)

興行収入100億円の大台突破が確実視されているアニメ映画『アナと雪の女王』。ディズニー・アニメーションの技術をふんだんに生かした迫力のある映像と、感動的なストーリーが人気の理由だ。ディズニーファンの間では、2013年に興行収入約90億円を記録した『モンスターズ・ユニバーシティ』のヒットも記憶に新しい。その市販映像作品を振り出しとして、ディズニーが日本発のユニークな取り組みを進めている。「MovieNEX(ムービーネックス)」という新しい概念の商品がそれだ。
ムービーネックスは、ウォルト・ディズニー・ジャパンの2013年11月発売作品からスタートした。見た目は一般的な映画のDVDやブルーレイディスクのパッケージと大差ないが、一度購入すれば、映画が記録されたディスクを使ってテレビやホームシアターシステムなどで視聴可能。さらに、パソコンやタブレット、スマートフォンなどさまざまなデバイスで、ネットを通じて、いつでもどこでも映画の本編や関連する多様なコンテンツが楽しめるようになる。ウォルト・ディズニー・ジャパンは順次、対応作品を拡充している。
この裏側にいるのが、日本最大級の動画配信サイト「niconico(ニコニコ)」を運営するドワンゴだ。ムービーネックスからデジタルコピーした作品を、さまざまなデバイス上で視聴するためのプラットフォームを、ニコニコが提供している。つまり、ディズニーのムービーネックス対応作品を買えば、さまざまなデバイス上のニコニコで視聴可能となる。
ディズニーのような映像コンテンツの巨大企業が、パッケージ作品とネット配信を束ねるのは、世界的に見ても珍しいケース。しかも、日本でのパートナーはニコニコという意外な取り合わせだ。この取り組みの仕掛け人であるウォルト・ディズニー・ジャパン スタジオ部門の塚越隆行ゼネラル・マネージャーとドワンゴの川上量生会長の対談を、全3回連載でお届けする。
ディズニーの塚越GM(左)とドワンゴの川上会長(撮影:尾形文繁)

何度も買うのはナンセンス

――世界最大級の映像コンテンツ企業であるディズニーが、コンテンツのネット配信へ積極果敢に乗り出し、日本ではニコニコ(ドワンゴ)がそれをサポートしているという構図ですね。

川上会長 僕はずっと前から「コンテンツはクラウド型になっていく」と言っています。コンテンツは今まで(VHS、DVD、ブルーレイなど)メディアごとに売っていたんですよね。新しいメディアが出ると、新しいパッケージが売り出される。別々のメディアで同じコンテンツが欲しければ、2回買わないといけなかったんですが、メディアが増えていくにしたがって、この方法はナンセンスになってきて、いろんなメディアで楽しめるクラウドサービスに移行するだろうと。

塚越GM まさにその通りですよね。僕もこの業界が長いもので、最初(に市販していた映像作品)はVHSで、VHSしかないと思っていたんです。でも、DVDが出てきて、その時初めてフォーマットというのがあるんだと知って、その後、ブルーレイが出て来た。お客さんは、フォーマットが出るたびに買い替える。悪いとは言わないけど、それで商売しているスタジオも結構ある中で、それでいいのかと。

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