チーズ値上げをもたらした国内外の構造問題

6年ぶり、大手各社が一斉値上げ

乳業メーカーが相次いで市販用チーズの値上げに動いている。雪印メグミルクは1月下旬出荷分から、明治と森永乳業、六甲バターも3月分から、内容量を減らすなどして実質値上げに踏み切った。各社一斉の値上げは2008年以来、6年ぶりだ。

一斉値上げの主因は、国内外での原料高騰である。「特に影響が大きいのは輸入原料の価格上昇」(雪印広報)だという。今回の値上げ対象製品は輸入したナチュラルチーズを原料とするものが大半。12年末からの円安進行に加え、世界的に乳製品の需要が高まっていることが原料コストを押し上げた格好だ。

伊藤忠商事の山中健盟・乳製品課長は「中国をはじめとしたアジア地域で、製パンや製菓用に全脂粉乳の需要が高まっている」と指摘する。チーズも全脂粉乳も、原料は生乳(搾ったままの乳)で、世界的に生乳が不足する事態になっている。

さらに、乳製品の主要産地であるオセアニアでは「短期間で効率的に生産できる全脂粉乳の生産が優先され、完成まで時間を要する原料チーズの生産量が落ちている」(山中課長)ことも、原料の価格高騰に拍車をかけている。

新興国では経済成長とともに、これまで高級品だった乳製品の購買者層が増加している。世界的な需給逼迫は、すぐには収まりそうにない。

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