消費増税は追い風?JTのたばこ値上げ

看板ブランド「メビウス」は約4.9%の値上げ

消費増税で泣くのか笑うのか――。JTに大きな関門が待ち構えている。同社は1月30日、4月からの消費税率引き上げに伴って実施する、たばこの価格改定を公表した。116銘柄のうち107銘柄を10円もしくは20円値上げする。

第3四半期決算の発表とあわせて打ち出した今回の値上げについて、宮崎秀樹副社長は、「増税分を適正に価格へ転嫁するためのもの」と説明。10円単位の値上げにするのは、自動販売機に対応するためだという。

値上げで安価なタバコが売れる

だが、値上げ対象となる107銘柄のうち62銘柄が20円高くなる。これらは最低でも4%超の値上がりとなり、消費増税分の約2.86%を上回る。率でみると増税分以上の価格転嫁だ。

注力ブランド「メビウス」「セブンスター」ともに20円の値上げ

10円単位の値上げのため、増税分を正確に転嫁することは難しいとはいえ、同社製品の約半分を占める「メビウス」(410円から430円、値上げ率は約4.88%)をはじめとする20円の上乗せは、増税に伴う”価格戦略”のようにも映る。

これに対し、「消費動向や過去の値上げ銘柄の販売動向を踏まえ、JT製品内で小売定価の(高い製品から)安い製品、値上げ幅の小さい製品へのシフトが起こることを考慮した」(宮崎副社長)というのがJTの見解だ。

要は、値上げを嫌う一部の消費者が安いタバコを買うことで、高価格帯の販売数量が減るなどJT製品の販売構成比率が変わり、結果的に加重平均した小売定価は、消費増税分の値上げ率(約2.86%)近辺に落ち着くというもの。決算会見で宮崎副社長は、今回の値上げについて「価格戦略ではない」と、繰り返し強調した。

実際、近年で最大の値上げ幅となった2010年のたばこ増税の際、値上げ幅の大きかった「セブンスター」や「ピース」、「ピアニッシモ」は販売構成比が下がり、単価の低い「わかば」、「エコー」などの数量が伸びた。

だが、必ずしも毎回の値上げで安価な製品へのシフトが起きているわけではない。

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